揺るがぬ殺意
「どうしても、許せないんだ」
大粒の涙を溢しながら、江藤は絞り出すように呟いた。目は真っ赤に充血していて、今にもこちらに飛び掛かってきそうな剣幕である。
手には太く長い釘と金槌、そして藁人形があった。専門的な知識を持たない僕でも、彼が何がしようとしているのか理解できた。
僕には、江藤の気持ちは分からない。それでも、これから江藤がしようとしていることが、事態を好転させてくれないことだけは、はっきりと分かった。
僕は彼を刺激しないよう、慎重に口を開いた。
「花粉には、呪いはあんまり効かないんじゃないかな…」
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