第12話 ザリ子の挑戦状
8畳の生活スペース、6畳のキッチン、風呂トイレ別の築年数が経ったアパート。ここに、ジェット団から解雇されたザリガニ怪人のザリ子は戦闘員一人と共同生活をしている。
ザリ子の部屋には、戦闘員とマチコがいる、いつもの光景だ。
「違う!オバサン紛れてんじゃん。」
「誰がオバサンよ。お姉さんでしょ。ねぇ、戦闘員君・・・カワイッ!チュ!」
「あーーー、キスした!」
「只のほっぺでしょ。ハンッ、ガキね。」
「くぅ、このオバサンが・・・そこ!デレデレすんなっ!」
「イッ(焦る)」
「まあ、それはいいとして。」
「良くなーい!」
「それでね、ザリ子に相談したい事があるの。」
「何?シミとか黒ずみとか、そんな年寄りくさいの悩みなら、若い私には答えられないよ。」
「ザリ子!オモテ出ろー!」
「上等じゃい!」
「イーーーー!」
外に出ようとする二人を、必死に止める戦闘員だった。
「で、何よ。相談って。」
「サンボイラーを倒した一件、上層部も聞いて喜んじゃってね。それでね。あなた、もう一度サンボイラーと戦ってみる気はないかって話しなの。」
「んー」
「イー(不安)」
「嫌なら断っていいのよ。」
「んー・・・どうした?(ザリ子様、どうしますか?)ね。」
「うん・・・決めた!マチコ、ジェット団に伝えて!こっちから挑戦状叩きつけてやるってね!」
「ザリ子・・・いいのね。」
「イー(不安)」
「なーに、二人して心配してんのよ。あのキモイ奴、ぶっ飛ばしてやる!」
「イー(↑)」
ここは、テレビ局。サンサン元気の生放送中だ。
「はい、次は街角元気のコーナーです。今日、サンボイラーは来るのか!街に行っているユキちゃんに声をかけてみましょう。ユキちゃーん。」
「はーい。今日も晴。みんな元気!高橋ユキです。今日は、サンボイラー来てませんねぇ。それじゃ、街の人に話しを聞きに行きま・・・」
「キャー」
「皆さん、あちらを見て下さい!戦闘員がいます!悪の組織が、街を襲おうとしています!」
「ちがーう!戦闘員、手袋を取って!」
「イー」
「少女の手が爪に!少女の怪人です!あの少女は怪人の様です!」
「何度も、少女って言うな!・・・あっカメラ、こっちでいいの?」
「ええ」
「見てるかー、サンボイラー!お前がいっつもしている事をこっちがしてやる!この怪人ザリ子様がお前に挑戦状を叩きつける!場所は一週間後のこの時間、ここで決着をつける!おいっチンパンジー、逃げんなよ。盛ってねぇで、腕、磨いとけ!以上!」
「皆さん、聞きましたか!一週間後、サンボイラーと怪人ザリ子の対決がここで行われます!ザリ子さん、インタビューしてもいいですか?」
「あんた!少女って連呼するから、キライ!」
サンボイラーに挑戦状を叩きつけたザリ子。戦いは一週間後だ。
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