第11話 ザリ子が襲われる!
ヒーローショーが終わると人々は家路についた。辺りはオレンジ色に染まり、静かになった浜辺でザリ子とマチコは、話しをしていた。
「戦闘員達、大丈夫かな?」
「んー、ジェット団が隠れ家を用意したみたいだから、そこで休んでるかもね。連絡とっておこうか。」
「うん・・・私、スマホないから。」
「OK!・・・あんたってもうちょっと、ココに居る?」
「もう少し、夕日見てようかな。」
「そっ、じゃあ、ダーリンにも伝えてもらうね。来てくれるんじゃない?」
「・・・無理はしないでって言っておいてね。」
「あら・・・どうしたの?カワイイ事言うわね。似合わないわよ。」
「・・・マチコはどうするの?」
「私は、もうちょっとしたら、帰ろうかな。仕事あるしー。」
「そっか。」
マチコが帰り、一人夕日を眺めるザリ子。そんな、ちょっと乙女なザリ子に声をかける、チャラそうな人物が現れたのだ。
「こんちはー」
「・・・」
「無視しないでよー、一人で何してんのぉ?」
「失せろ、ハゲ。」
「ハゲてないよー、こんな時間だよ、帰んないの?」
「失せろ、チョビヒゲ。」
「チョビじゃないよー、かっちょ良くない?このヒゲ。整えるの大変なんだよねー。」
「おい、チンパンジー。もう、しゃべんな、森に帰れ。」
「そんな事、言わないでよ。・・・ザ・リ・子ちゃん。」
「お前、誰だよ?」
「俺?誰だと思う?君の愛しい人で間違いないと思うけどなー。」
「チンパン、言葉通じてる?」
「これなら分かるかな。ゴホン・・・おのれ怪人。悪は滅ぶべし。ってね。」
「んっ!・・・シュ」
「痛!また、ローやめろ。膝裏、蹴るなよぉ。」
「このっ3パターンヤローが!」
「3パターン?・・・痛!やめろっての!」
「足つかむじゃねぇ!離せ、変態!襲われるー!」
「俺、ザリ子ちゃんに始めて会ったあの時から、好きだったんだよね。水着姿もカワイイねぇ。」
「キモイんだよ。離せって!」
「それにしても、折角、あの時、生かしてあげたのに、あんな事するんだもんなー。俺、恥かいちゃったよ。」
「テメーが!子供巻き込むからだろ!」
「あれぐらい、俺が助けてたよ。邪魔すんなよな、ザリ子ちゃん。」
「離せっつってんだろ!」
「危な!グーで顔殴ったら危ないでしょ。それにしても、今日は、可愛い手袋つけてんだね。爪より、こっちの人間の手の方がよっぽどいいよ。色々出来るしぃ。」
「だから!キモ過ぎんだろ!離せよ!」
「イー!」
ザリ子のピンチに助けに入る戦闘員。今日は水着でサングラス。肉体美がまぶしいのだ。
「だっ、なんだテメーはよー。・・・あは、お前、イーって言ったか!戦闘員かよ!このザコが!」
「向こうで、女の子の叫び声が・・・」
「何か、ケンカしてる見たいで・・・」
「チッ・・・ザリ子ちゃーん、今度、デートしてね。楽しい事、いっぱいしようよ。」
「キメーんだよ、チンパンが!消えろ!」
ザリ子は戦闘員に助けられたのだった。ザリ子の心はさらに乙女モードに突入するのだ。
「助けてくれて・・・ありがとう。」
「イー」
「んっその袋って?・・・うわぁ、花火!」
「イー(↑)」
「暗くなってきたし、やろっ!」
「イー!」
仲良く花火をするザリ子と戦闘員。青春というものがなかった怪人のザリ子にとって、今が青春なのだ。
「花火・・・キレイだね。」
「イー」
「ねぇ・・・あの時、助けに入ってくれて・・・嬉しかったよ。」
「イー(照れる)」
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