第10話 サンボイラーのヒーローショー?

ザリ子とマチコは、海に来ていた。これから、サンボイラーと怪人が戦うのだが、海岸は、お祭り騒ぎとなっていた。


「それにしても、人凄いわねー。今回は、夏、海、ヒーローショーが合わさって、すごい賑わいね。」

「人集めてチヤホヤされたいんでしょ。私、今日はナンパされに来ただけだしぃー。」

「ロリコン好きに?」

「はんっ、変態なんて、皆、滅べばいいと思う。お前も一緒にな!」

「ふんっ・・・どうせ、戦闘員君の応援に来ただけでしょ。」

「ち、ち、ちげーし。そんなんじゃあ・・・」

「動揺してんじゃん。分かりやすー。」

「・・・くぅぅぅぅ。私って、いつの間に、アイツの事を。」


「おい、サンボイラーと怪人が来たぞ!」

「おっ始まる?」

「サンボイラー、ガンバレー!」


「じゃあ、愛しのダーリンでも応援しに行く?」

「やめてよ!ダーリンじゃないし。」


サンボイラーとくらげ怪人クラ夫の戦いが始まった。まずは前哨戦とばかりに、戦闘員が戦うが、一瞬で倒されてしまうのだった。


「あっパンチ一発で。よわっ。」

「あーあ、もうダーリンの出番終わり?」

「だから、それやめてよ。・・・あっ戦闘員達、もう引き上げてる。諦め早いなー。」

「それにしても、サンボイラーって、また体についてるスポンサー増えたんじゃない?」

「うん。胸の目立つとこに牛丼の大川屋って、ダサすぎ。」

「頭についてる、パンチアウトジムは、面白いわよ。」

「冗談きいてるー。絶対、あのスポンサー、ウケ狙いだって。」

「アハハ、分かる!」

「それにしても、テレビでの挑戦状、絶対スポンサー集めでしょ。」

「そうでしょうね、あのヒーロー、家よりも悪どいわ。」


「くらえ、サンボイラー。毒痺れアタック!」

「ぐぅあー。」


「おっ、脇腹にクラ夫の攻撃、いいぞー。」

「今よ。畳みかけて。」


「おのれ怪人。悪は滅ぶべし。いでよ、サンブラスターソード!」


「あっ、止め差しにきてる。クラ夫、逃げて!」

「ヤバー。」


「喰らえ、熱波切り!」

「ぎゃーーーーー」


「あっ、当たっちゃった。爆破する。」

「やばっ、子供!」


間一髪、怪人クラ夫の爆破から、子供を助けたザリ子。戦闘に子供を巻き込んだサンボイラーに怒り心頭のザリ子だった。


「よく子供を助けてくれた。君の正義の心、感謝する!」

「ふざけんな。シュッ。」

「うおっ痛え、なんて鋭いローキックを放つんだ。」

「子供を巻き込むなんて。シュッ。」

「痛っ、ローキックやめろ!」

「最低のヒーローがー!」

「ぐふっ」


「あの子、ちっちゃいナリで、なんてボディブローを放つんだ。」

「すげえ、ローキックをフェイントにして、ボディを撃つなんて。」

「サンボイラーが女の子にやられちゃった。」


「君、大丈夫?」

「お姉さん、有難う!サンボイラーより強くてカッコイイ!」

「うん、アリガト。」


子供を助けた怪人ザリ子。悪の怪人として正しい行いなのか、ただ、この日、ザリ子はヒーローだったのだ。えらいぞ、ザリ子!

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