第9話 海に行くのが楽しみなザリ子

8畳の生活スペース、6畳のキッチン、風呂トイレ別の築年数が経ったアパート。ここに、ジェット団から解雇されたザリガニ怪人のザリ子は戦闘員一人と共同生活をしている。


今日の海デート、ザリ子は楽しみ過ぎて眠れなかったのだ。


「イー」

「何?こんなに早く!もうっ、私の水着姿が待ちきれないのは、分かるけどぉ。えっテレビ?」

「イー」

「・・・あっサンボイラーが出てる、それにしても、こいつ、毎回毎回、挑戦状叩きつけて、ホントむかつく。普通、それは怪人側がやる事でしょー。」

「イー」

「今回は海岸で戦うのね・・・そういや・・・あんた出動なの?」

「イー(↓)」

「・・・そりゃそうよね・・・まぁしょうがないか。」

「イー(↓)」

「あいつ、ぶっ飛ばしてきてよ!」

「イー」

「いってらっしゃい・・・」

「イー」

「・・・う、うぁーーーん。ひっく、なんな・・・のよ!・・・サイアク!楽しみにしてたのに・・・」


こうして、サンボイラーに、海デートを潰されるザリ子だった。だが!それで諦めるザリ子ではなかったのだ。


「はー泣いてスッキリしたー。しゃあっ、こうなったら、海に行って、ナンパされてやる!・・・まぁついでに、あいつの応援もしてあげよ。・・・そうと決まれば、カワイイ水着、買いに行くぞー!あー寂しぃ。」


可愛い水着を買って、海に行くザリ子。海は、サンボイラーの告知で人がごった返しているのだった。


「マジっすか?しかも、子供ばっかり。・・・これじゃ、ナンパされないじゃん。はー・・・って、熱風戦士サンボイラーガムが売ってる!しかも、すげー売れてんじゃん。」


「かぁー、また、サンボイラーかよ。3パターン多すぎだって。」

「だよな!しかも、ランダム封入って、汚ぇ商売してるぜ。」


「そりゃ、そうでしょ。悪の組織が作ってんだから。」


「お前、なに狙いだよ?」

「俺は・・・怪人ハチ美。カワイイんだよな。」

「分かる!」


「あぁ、ハチ美?それでいいの?私をマスコット枠から引きずり落とした、あの、頭カラッポぶりっ子怪人が!ホントに?」


「俺・・・これには入ってねぇんだけど、怪人のザリ子って知ってる?」

「いや、聞いた事ねぇ。」


「おっ私のウワサを?」


「俺、好きなんだよね。」

「そうなん?何処がいい?」


「さあ、私の華麗で素敵なチャームポイントを!」


「ロリコン体形!サイコー。」


「ヒッ、あの変態、キケン!こわっ!」

「ハハハッ、あんた、やばいファン、ついてんねー。さすがだわ。」

「マチコ、来てたんだ。・・・ん、ビキニ、際どくね?」

「そうなのよ、男どもの視線が痛いわー。・・・まぁ、あんたのも悪くないわよ。」

「そうでしょ、可愛くない?」

「ええ、あんたのロリコン体形にピッタリね。」

「・・・あぁん!ケンカ売ってんの!」


戦闘員を応援しに、海へ来たロリコン体形のザリ子。次回へ続く。

「ナレーション、お前もケンカ売ってんな。」

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