第8話 ザリ子の好物は肉じゃが

8畳の生活スペース、6畳のキッチン、風呂トイレ別の築年数が経ったアパート。ここに、ジェット団から解雇されたザリガニ怪人のザリ子は戦闘員一人と共同生活をしている。


ジェット団で五日間監禁されるという地獄のアルバイトを終えたザリ子。ヘトヘトに疲れきって戻ってきたのだった。


「やっと帰ってこれたー。ああ、目をつぶると地獄が見える。組み立て・塗装・組み立て・塗装・組み立て・塗装・組み立て・塗装・組み立て・塗装・・・あーーーーーーーサンボイラー、ぶっ殺す!3パターンもありやがって!ザリ子は0!ぜってー殺す!」

「イッ(焦る)」

「・・・はぁ、何かゴメン。労働って・・・大変なんだね。ご苦労様でございます。」

「イッ(焦る)」

「・・・何、おでこに手を置いて。熱なんかないわよ。そんなに労働を語る私がバカみたいに見えるの?失礼じゃない?(くぅううー、おでこに手なんて!恥ずぅー)」

「イー」

「所で、今日は夕食なに?もう、バイトの時みたいな、やっすい弁当なのは嫌なのよ。」

「イー」

「肉じゃが!私、コレ好き!どうした、こんな急に腕上げて。」

「イー」

「スマホ・・・あー何々(ザリ子様のいない間に練習しました。)って、やるじゃない!(キャー、嬉しい!)」

「イッ(痛い)」

「あっ背中、強く叩き過ぎちゃった。ゴ・メ・ン・ね♡」

「イー(↓)」

「背中さすってないで、早く食べましょ!」

「イー」


好物の肉じゃがに、むさぼりつくザリ子。久しぶりの自宅を満喫するザリ子だった。


「ねぇ明日、水着買って海に行かない?」

「イー」

「んっ・・・OKね。じゃあ、明日は早くに迎えきて。」

「イー(↑)」

「た・の・し・み・ね!」

「イ・イ・イ・イ・イー」

「それ、キモッ。真似しないで!」

「イー(↓)」

「あっそうだ、明日はご飯の心配しなくていいから。私にはこれがあるから!」

「イッ(驚き)」

「そうよ!これが、労働の対価という、神の様な存在、お札様よ!紙だけにー。」

「・・・」

「滑らすなよ!んっ何?(お札様を3枚もらいますね。借金です。)・・・」

「イッ(焦る)」

「(手を離して!借金です!)・・・違うの!お金の大切さを知ってから、あなたがどれだけ、大変な思いをして稼いだか、分かってる!分かってるけど・・・お金から手が離れないの!」

「イー!」

「堪忍して!嫌や、ウチ嫌や!この子達、ウチの子や!」

「イー」

「何?顔を近づけて(ちょっ顔、近いって)。・・・あ!ウチの子達がーーーー。このっ人さらい!」

「イー」

「(領収書いります?)って、くぅー、ムカつく!明日、その子達であんたが支払いなさい!」

「イー(↓)」

「早く迎えに来てよね!」


ケンカをしながらも、明日が楽しみなザリ子だった。

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