第7話 ザリ子のアルバイト

科学者マチコに「バイトを紹介する」と言われ、ジェット団へと連れてこられたのだった。


「懐かしい。・・・ここで頑張ってたんだけどな。」

「そっちじゃない、こっちの建物の方。」

「えっ、怪人開発の手伝いじゃないの?」

「はぁ、あんたみたいなのに頼む訳ないし。」

「なんでよ、私の華麗なる経歴、修羅場を潜り抜けた経験を頼りにして来たんじゃ・・・」

「ザリガニ怪人ザリ子」

「あ、はい?」

「全怪人の中で評価ランクは下。」

「うっ。」

「仕方なく、マスコット枠で使ってみたが、人気出ず。」

「ううっ。」

「最後には、サンボイラーと戦うが、捨て置かれ、ジェット団からも捨てられる。」

「うううあーーーーん、そんなに言わなくてもいいじゃんよ!」

「あんた、真面目にやれば、もっと戦えるのに、ムラがすごいのよね。」

「しょうがないじゃん。やる気が出ないんだもん。」

「それに、解雇したはいいけど、何しでかすか分かんないからって、ジェット団所有の戦闘員用アパートに住まわしてもらってる状態なんでしょ。しかも、生活費も出てるみたいだし。」

「あれっぽっちじゃ生活出来ないもん。可愛い服買えないしー。」

「ニートが、ワガママ言うな!労働って大変なの!お金をもらうってすごい事なの!あなたみたいなニートには分からな」

「何か!ごめん。」

「ふーまぁいいわ。そう言う事で、仕事を持ってきてあげたわよ。やる気出しなさい。」

「・・・」

「返事!」

「はいっ!・・・で、何するの?」

「それは、コレよ!」

「何これ?熱風戦士サンボイラーガム、フィギア入り。こんなの出てんの?」

「そうみたいね。私も今日、初めて見たわ。」

「こんなの、どこが出してるの?」

「ジェット団。」

「えっ」

「だから、ジェット団。」

「いや、聞こえなかったんじゃなくて、なんでジェット団がサンボイラーのおもちゃ出すのよ。」

「これ、ガムがメインだから。人形はおまけ。食品玩具って言うらしいわよ。」

「そんな事を聞いてんじゃなくて。なんで、サンボイラー・・・」

「裏を見なさい。」

「え、裏。あっ、怪人もラインナップしてる。・・・ねぇ、ザリ子ないんだけど。」

「そりゃそうでしょ。」

「・・・サンボイラー、3パターンも必要?だったら、ザリ子入れてもよくない?」

「サンボイラー人気あるし、ザリ子人気ないし。まぁそういう事じゃない?」

「・・・かえ」

「ダメよ。以外に人気あるらしくて、人手が足りないみたいなの。」

「・・・暇な人がいるで」

「それは、あんた。」

「・・・トイレに」

「中にあるわ。」

「逃がしてくれない、ぐすっ」

「泣き真似もダメよ。」

「・・・」

「諦めなさい。そのおもちゃを作るのが、あなたのバイト。じゃあ、頑張ってね。今こそ、やる気を出す時よ。」


ザリ子は、熱風戦士サンボイラーガムのおまけフィギアを作る事になったのだ。ザリ子のフィギアはないが、負けるなザリ子!がんばれザリ子。


「サンボイラー2、ザリ子1でよくない?」

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