第3話 ジェット団科学者マチコ現る。
8畳の生活スペース、6畳のキッチン、風呂トイレ別の築年数が経ったアパート。ここに、ジェット団から解雇されたザリガニ怪人のザリ子は戦闘員一人と共同生活をしている。
まだまだ、夏は続く。
「クーラーつけたい。クーラー、クーラー」
「イー」
「やっぱり、夏はクーラーね。サイコー!」
「イー(涼しい)」
「結局、マスク取んないの、何?ねぇ顔、ブス?いや、ブスだ。」
「イー(↓)」
「そんな事より、ご飯作って。」
「イー」
急いでご飯を作る戦闘員。彼は只の家事手伝いなのだ。
「ちょっと!また、そうめん?もう嫌なの!そうめん飽きたぁ。」
「イッ(焦る)」
戦闘員は慌てて、スマホでレシピを調べ出す。彼の家事手伝いは素人レベルなのだ。
「他に何もないの?って、スマホ持ってんじゃん。私が使えないのに、ナマイキ!イーしか言わないのに。」
「イー(↓)」
「もう、そうめんでいいから。動画見ながらご飯食べたいんだけど。」
「イー」
ホッとした戦闘員。ザリ子は動画に夢中なのだ。
「それにしても、何でちょいちょい居なくなる時あんの?って、あー、他の怪人に呼ばれてるんだ。へぇーそうですか。」
「イー(↓)」
「まぁ、いいですよ。家の事して、スマホいじってくれれば。・・・そうですかぁ。」
「イー(↓)」
「それより、何かドア、ノックされてない?出なさいよ、浮気者。」
「イー(↓)」
そこに立っていたのは、ジェット団の科学者マチコだ。ザリ子は、マチコが嫌いなのだ。
「こんにちはー!ここが、ザリ子の愛の巣なのねー。プッちっちゃ。」
「何しに来た?ジェット団の変態科学者!」
「何って、仕事の息抜きに・・・」
「帰れー」
「ひどくない?仕事に行き詰ったから、気分転換に来てあげたのに。」
「帰れー」
「まぁいいわ。そこの戦闘員、お茶出して。って、あんたいい身体してるわね。結構タイプよ。」
「イッ(焦る)」
「おい!そこの浮気者。イチャつくな!そして、そこの変態。普通、そこまで言われたら、帰らない?」
「かえりまーーーーせん!」
「帰れ!ちょい、そこに突っ立ってる浮気者!その変態の顔に塩をぶつけなさい。フルスイングでぶつけて!」
「イー(↓)」
二人の間に立ち、困惑する戦闘員。それは、マチコが帰るまで続いた。共同生活が始まり、夏もまだまだ暑い日だった。
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