第15話 外堀
「雫ちゃん、洸祐の事よろしくね。
もう、グイグイいけば落ちるからね」
「はい、お姉さま」
すっかり、姉さんと雫が仲良くなっていた。
たぶん、俺はダメかもしれない。
外堀が異常な速さで埋められていく。
姉さんは、高校時代は勉強がまったくできないギャルだった。
それなのに、高校3年の時に勉強を始め医大に入学した。
姉さんは、俺とはまったく逆の人生を歩んでいた。
「じゃあ、洸祐くん。
私達、恋人同士ですからね」
「えっと、俺の意思は?」
「私の事嫌い?」
雫が、上目遣いで俺の顔を覗いてくる。
ドキっと心臓が高鳴る。
「好きだよ・・・でも」
「でも、じゃないですよ。
洸祐くん、自分の気持ちに蓋をしないでください。
勉強の邪魔はしません、私も洸祐くんと同じ進路にします。
ずっと、一緒にいます。
だから、私と恋人になってください」
俺が折れるしかないんだなと思った。
雫の気持ちが嬉しかった。
彼女のことが、好きなのは俺としても自覚してる。
「分かったよ。雫、付き合おう」
「はい、えへへ。これから、末永くよろしくお願いします」
「あらら、二人共お熱いことね。
私がいるの忘れるだなんて」
姉さんが、ニヤニヤと笑っていた。
やばい、なんで姉さんの目の前で告白してるんだ。俺は。
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