第14話 偶然?

「あれ?洸祐くん?」

「ん?」


俺の名前が呼ばれ振り返る。


そこには、雫が立っていた。


ちょうど今来たばかりなのか、その前には店員がいた。


「雫?」

「はい、貴方の雫ちゃんです」

「貴女のって、なんだよ」

「あら?まだわからないのですか?

もぅ、先日から付き合ってるのに」


え・・・あの時の付き合うってそう言う意味だったの。


俺は、首を傾げながら彼女の顔を見ていた。


「ふふ、ねえ。よかったら、貴女も一緒にどう?」

「え、いいんですか!

店員さん、こちらの方たちと相席させていただきますので」

「はい、畏まりました」


そう言って、店員は去って行った。


雫は、俺の横に腰を掛けた。


「さてと・・・雫ちゃんは、さっき振りね」

「はい、お姉さん・・・お招きいただいてありがとうございます」

「え?は?どういうこと!?」


俺の頭が、追い付かない。


さっき振り?お招き?


え?どういうことだ?


「洸祐くん、混乱してますね」

「そうね、くすくす。面白いわね」

「はい、とても。

頭がいいはずなのに、鈍感ですから」


俺の顔を二人が見て笑っている。


ダメだ、理解が追い付かない。


「洸祐くん。

お姉さんとは、図書館で洸祐くんと別れた後に話しかけられてお話してたんですよ」

「ちょっと、姉さんなにしてるのさ」

「ふふ、面白そうだったから」


ダメだ、この姉は。


己の欲を満たすために、俺をダシに使ってくる。


とりあえず、姉さんと雫が繋がりを持ったのは分かった。

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