第7話 首席と次席

「洸祐くん、私に勉強を教えてください」

「え?なんで?」

「洸祐くんの方が頭いいからです」


俺は、少し悩む。


だって、雫は成績上位にいつもいる。


というよりも次席が彼女である。


首席が次席に教える勉強ってなんだ?


特進科の他の生徒を抜いて普通科の雫が成績次席なのがまず訳が分からない。


「別に構わないが・・・俺が教える必要ある?」

「あります、すごくあります。

だから、教えてください」

「まあ、勉強ならいいけど」


うーん、腑に落ちないけど勉強させてくれるならいいかな。


俺は、勉強ができればそれでいいから。


「今日は、もう遅い時間だけど」

「はい、夏期講習の無い日曜日に一緒に勉強しましょう」


確かに、月曜から土曜日まで夏期講習のカリキュラムが朝九時から夜九時まで組まれている。


だから、日曜日以外は予定が詰まっている。


後は、八月のお盆時期もゼミは休みがあるが。


それは、今はいいだろう。


「ああ、いいよ。

じゃあ、日曜日は図書館とかで勉強でいいかな?」

「はい!はい、それでお願いします」


雫は、満面の笑みを浮かべていた。


俺の胸がなぜか高鳴る。


どうしてだろう。

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