第6話 ゲオルグ

ゲオルグ・ロガノフ、彼は皇帝の息子として生まれた

しかし、それは大勢いる妾の中で大勢の子の一人として生まれた


皇位継承権は33位、到底、皇帝になれるような身分ではない

彼は幼い頃から宮殿に入る事も出来ず、寂れた一軒家に住んでいた

式典の時でも宮殿に呼ばれるのは継承者20位ぐらいまで

彼にとっては父親の顔も絵画でしか見たことがない


そして皇室がら給付金は出ていたがそれは僅かな金額であった


母は彼が成人する前に病気でろくすっぽな治療も受けられずに死んだ


しばらくすると彼は酒とギャンブルに溺れるようになった


酒場でグダを巻き、喧嘩に明け暮れるようになった


酒場の外でズタボロになってる彼に一人の男が近づいてきた


「金、金ならもう盗まれたぞ?」

「ゲオルグ・ロガノフさんですね、皇位継承権を持つ」

その言葉にゲオルグはキョトンとなる

「なんで知ってる?」

「失礼、私はギュネスという貧乏貴族です、あなたの事は前から気になってました」

「金の無心か?国から貰ってる給付金はそこらの労働者と変わらない、借金もある」

「いえ、あなたを次の皇帝にしようと考えまして」

「?」

その突拍子もない提案にゲオルグは笑う

「何を言い出すかと思えば」

「まあ、そこの酒場で飲み直しましょう、私の奢りで」

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竜騎士 補足 修羅 @SYURA_sh

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