03/師匠と清楚系彼女のNTR実況

『アン、あァ……ッ、グライム……、私、もう、もう……ッ! アァ———ッ!』

『俺も、イク……ッ、出すぞ、出してもいいか?』

『ンっ、んンッ! アッ、はァ……ッ!』


 ビクビク痙攣した彼女は満足そうにアヘ顔を晒して、師匠であるグライムと共に絶頂して果たした。


 え? セツナは由緒正しい修道院に身を捧げた聖女だって———……。


『私は神に身心を捧げた身。だから成人になるまでは処女ヴァージンを貫かなくてはならないの。アザーク、待っててくれるかな?』


 思い出の彼女は、可憐な顔で謝っていた。なのに……。


『いつにも増して激しいな、セツナ』

『だって、ダンジョンに潜ってる時はグライムとイチャイチャ出来ないから……欲求不満になっちゃうんだもん』

『仕方ない奴だなー、セツナは』


 このーっと額をピンっと弾いて、イチャイチャが止まらない。


 いやいや、いつにも増してぇー?

 常習犯か、コイツら! いや、今回が初だとしても、俺、囮で死んだ直後! 嘆き悲しむ時!

 少なくてもエッチしてる場合じゃねぇ‼︎


「こんな奴らを助ける為に死んだとか有り得ない! ふざけんなァ! ネトラレとか、ネトラレとか……あんまりだろォォォォ!」

「あまりの鬼畜さに反吐がでるな! 人間のクズだ! 虫けらだ!」


 清々しい毒舌ありがとう、キウイさん!

 もう血も涙もねぇよ、コイツら‼︎


「だがお前は生き返った! 犬死にならなくて良かったじゃないか!」

「良くねぇよ! こんなことなら何も知らずに死ねば良かった! このクソエルフ! 勝手に俺を生き返らせやがって!」

「なっ、私が悪いと言うのか? 私は悪くない! 悪いのはコイツらだ! なぁ、お主……私と共にこ奴らに復讐しないか?」

「む……っ、ふ、復讐……?」


 突然、真面目な顔して物騒な提案してきたから、反射的に狼狽えてしまった。


「お前が邪竜に木っ端微塵にされていた最中、此奴らはイチャイチャイチャイチャ……クチュクチュのドバーンだ! 許せないだろ?」


 やめろぉォォォォ! これ以上、擬音で傷を抉るのはやめてくれ!


「私は許せない……っ! 私の下僕がこんなツラい目に遭ってるのに、みすみす見逃すなんてあり得ない!」


 いや、待て。お前、いま、何で言った?

 俺の聞き間違いか? 下僕って言わなかった?


「そもそも私の守護エリアを土足で踏み躙った奴らを許せない! 共に復讐を果たそうでないか‼︎」

「それが本音だろう、キウイさんよォ! もういいんだよ、俺は……。コイツらのことは忘れて、ゆっくりとスローライフを過ごすことにするよ」


 秘境でのんびりモフモフと、まったり過ごすのが流行っているらしい。そんな人生もアリかもしれない。


「それは無理だぞ? お前は私から離れることは許されない」

「はァ……?」


 まだ蘇らせた恩を押し付ける気か?

 いくら止められても、俺は———


「お前は私の下僕ゾンビ。私から離れたら、朽ち果てて滅んでしまうぞ?」

「朽ち……果てるだと?」


 そんなの聞いてない! ヤメろ、そんな契約、即解除だ‼︎


「滅びたくなければ私に尽くせ! アハハハハ‼︎」

「この腐れクソエルフ———っ!」


 こうしてアザークの第二の人生は、最悪な幕開けをした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る