7月13日(木) 『流しそうめん』
親と夕食を終えた後。私、櫻井あいらは、自室で卓上ラジオを聴く。
今夜もラジオへ手を伸ばしただけで、勝手に電源が入った。もはや、センサー式である。
「昨日のセツナさんの話……。なーんか、変だったなぁ」
七月になってから毎回欠かさずに聴いているラジオ番組、タソアイこと、タソガレドキにはアイスティーを。番組パーソナリティの瀬戸川セツナさんは、私と共通点が多い。共感しながら番組を聴くのが最近の楽しみなんだけど……。
昨晩の放送は、違和感を感じるものだった。地域差によるものなのかな、とも思ったけれど。それにしては、私の知っている情報と噛み合わない。
不思議に思いつつも、今夜もタソアイを聴こうと夜七時を待った。
***
今夜のタソアイのメッセージテーマは【流しそうめんと私】だそうだ。流しそうめんにまつわるエピソードを募集しているらしい。過去に体験した流しそうめんの思い出や、理想的な流しそうめんについて、でも良いとか。
『あなたの流しそうめんエピソード、ぜひ教えてくださいね。メッセージは番組ホームページのメッセージフォームよりお願いします』
声優であるセツナさんの、ハキハキとした声がラジオから届く。
そういえばセツナさんの声も、タソアイ以外の番組も、ラジオパーソナリティの人たちの話し方は聴き取りやすいな。アナウンサーの人がニュースを伝える時間もあるし。
高校でボソボソ喋りながら授業を進めてしまう先生に見習ってほしいくらいだ。
『あ、そうそう。今さらかな、とは思うのですけれど、番組の公式Twitterアカウントができたんですよ!よかったら皆さんフォローしてくださいね。タソアイ、で検索すると番組アカウントが出てくると思います。Twitterで番組の感想を呟く際は、
「へぇ、タソアイのTwitterアカウントか。後で見てみよ」
とか言いつつ。タソアイの放送後に他のラジオ番組を聴いたり、お風呂に入ったりしているうちに、私はすっかり忘れていて。
その晩はTwitterを見ることなく、就寝してしまったのだった。
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