第5話


 今夜は少年が1人で歩いていた。

僕は、すかさず少年の首筋にキバを突き刺して沢山の血を吸っていた。少年は干からびて転がっていた。

ジョセフは「ケイトお見事!」と言って笑っていた。


 もう僕はどれだけの生き血を吸っていたのかも分からなくなっていた。

ジョセフが一緒にいてくれるのなら、それで良いのかなと思っていた。

僕は(この孤独に過して来たヴァンパイア、ジョセフを愛しているのか?これでは人間と変わらない好きという感情)

僕は「ねぇ、ジョセフ大好きだよ」と言った。ジョセフはケイトにキスをしていた。


 ある日ジョセフが「逃げろケイトー」と叫んでいた。

牧師と木の杭を持った沢山の人間達がいた。

ここは現代そんな物通用しないよ!と馬鹿にしていたがジョセフは人間達に捕まっていた。

僕は「ジョセフー」と叫んでいた。

僕は逃げなくちゃ急いで逃げていた。


 数日後、屋敷に戻って来たがジョセフの姿はなかった。

洋服の端切れに木の杭が突き刺さっていた。

(ジョセフが、あのジョセフが殺された…ジョセフは苦しんだに違いない断末魔の叫び…)

僕は泣き叫んでいた。


 僕はある日、女の子をさらっていた。

少女をヴァンパイアにする為にね。

少女の血を少し吸ってね。

人間の細胞が破壊されるけど、その苦しみが終われば彼女も僕と同じヴァンパイアだ。


僕とシャーロットは夜の街へと繰り出す人間の生き血を吸いにね。

これは人間への報復だ!僕の大好きなジョセフの命を奪ったんだから。


ケイトはヴァンパイアを増やす為に街へとやって来る。


「ねぇ、君たちもヴァンパイアにならないか?」


      完

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ヴァンパイアの憂鬱 浜田まひる @mahiru8

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