第17話 行こうか海!

 『行こうか海!』


 ということで食欲を鎮めた私たちが向かったのは3駅ほど行った海水浴場へ来ていた。ザザーンと心地よい波音を聞きながら、由香里の水着を見る事に。


 由香里の水着は明るい髪の毛とは対照的な紺色の何とも大人セクシーな色合いをしたフリルビキニだった。その綺麗で透き通るような白い肌とネイビーのコントラストが実によく際立っていて胸元を大き目の三段になったフリルで覆いかぶしているが大きなお胸は学生とは思えない大人な雰囲気を醸し出していた。実に良く由香里似合っていて、ついつい見惚れてしまいそうだ。


 そんな由香里とは対照的な私というと、


「美波ちゃん可愛い!やっぱりふりっふりフリル付きセパレートタイプだよね!このお臍の出た感じとかもう…ぐへへ…あっ涎が…」


「お巡りさん!この人です!」

「美波ちゃん洒落にならないから叫ばないで!?」


 涎を垂らしながら私の事を性的に見る由香里と共に準備運動をしたのち、いざ海へ―――!


「美波ちゃん、日焼け止めは?」

「ま、そうだよね。じゃあ由香里お願ーい」


「はーい、ぬるぬるなのは毎日触ってますから得意です!」

「その補足はいらん!」


 斯くして日焼け止めを塗った私たちは、今度はちゃんと海へ向かった。

 砂は照り出る太陽によって熱々状態の上を走り、規則的に流れる波音の下へ。


「きゃっ、冷たい!」

「美波ちゃんほれ!」


「やったね?こっちも仕返し!」


 バシャバシャとよく海で見かけるカップルがする遊びを少し楽しみんだあとは、


「ん…美波ちゃん…あっ…ん」

「由香里…ん…もっと…」


 海の上でレンタルしておいた浮き輪に由香里を座らせその上に私が由香里に向き合うような形で座り、沢山の人が訪れ騒がしい中、私と由香里は深いキスをしてお互いの吐息交じりの声に耳を傾けるのだった。


「美波ちゃん、何買う?かき氷?」

「うーん、私はちょっとお腹すいたからイカ焼きでも食べようかな」


「了解!じゃあかき氷何味のシロップがいい?」

「シロップ?うーんイチゴかな由香里の好みは?」


「一番は美波ちゃんから出た濃厚な――」

「店員さんの前だよ!?何言ってんの!」


 半年前の教室での事を忘れているのかな?由香里には羞恥心がないのだろうか。

 そんなことを考えていると注文したものが届き、近くにあった二人掛けの水色のベンチに座ることに。


「美波ちゃんはい、あーん」

「ん、あーん。んー冷たくて美味しい!じゃあお返しにはい、イカ焼き」


「んー、おいしいね。私海の家で初めてイカ焼き食べたかも」

「へぇ、普段はやっぱり焼きそばとか?」


「焼きそばもいいけど、焼きトウモロコシかな。美波ちゃんは食べないの?」

「焼きトウモロコシかー夏祭りでは食べるかな?今から買いに行く?まだお腹大丈夫だし」


「いいね!せっかくだし買っちゃお!」


 かき氷とイカ焼きを食べた私たちは続いて焼きトウモロコシを買い、熱々なトウモロコシにかぶりつく。一粒一粒からでる湯気と甘味、それを由香里と二人で堪能し再び海へ。


「あー楽しかった!美波ちゃんはどうだった?」

「私も楽しかった、いい思い出になったかも」


「じゃあ来年もその来年も一緒に来ようねー」

「うん!楽しみ♪由香里とならいつまでも楽しめそう」


 帰りの電車の中、和気あいあいと来年以降の予定を決める二人なのでした。

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