第12話 私もさすがに許容できません!

 私が気を失ってから目が覚めたのは、お昼を知らせる予鈴5分前だった。最初は何がどうなったのかよくわからず、保健室に横になって窓の外を見ていた。


キンコンカンコーン


 お昼になると1分もしないでどたどたと走る音が聞こえてきたと思ったら、勢いよくドーンッと保健室の扉が開き由香里が入ってきたのだ。


「美波ちゃん、大丈夫!?」

「あ、うん今起きたところ」


「そっか、急に倒れたからびっくりしちゃったよ」

「うん、ごめん心配かけちゃって……………って言うと思う?私怒ってるんだけど」


 そう、倒れて気を失ったからっと言って由香里に何をされたのかははっきり覚えているのだ。怒りがマグマのように込みあがってくる。軽いキスなら許容できた。でもあれはない、


「美波ちゃんごめんね。なんか我慢できなくて…」

 そう言った由香里は露骨に申し訳なさそうな態度をとったが、今回の事はさすがに許せない。


「ほんと最悪だよ!私もうクラスに恥ずかして戻れないよ、どうしてくれるの!?」

 私も今回の事は本当に反省してほしかったから頬を膨らませながら、憤怒の形相をした。


「それなら大丈夫!みんなには私が美波ちゃんにゾッコンだからつい我慢できなくてやっちゃったってことになってるから!安心して」

 そして続けるように私の怒りを買うような発言を由香里は発するのだった。


「だから機嫌直して?今日私が美波ちゃんに犯されるよ…どうかな?」

「え、由香里それ本気で言ってる?」


「え、うん!私の身体好きにしていいから」

 この言葉は前に私が由香里に言った言葉(第1章6話を参照してね)だが、ここまでイラつかせる言葉だとは…今初めて知ったよ。


「由香里…私もちょっと今回のは許容できないし、今の発言に反省の色が全く見えなかったから、罰を与えるね!今日から1週間…いや2週間!私に指一本も触れないでほしいかな」


「えっそんな…さすがに私耐えられる気がしないよ…2週間なんて」

 絶望した由香里に私は笑顔でこう言ってやった。


「守らなかったら、もう二度と私とのエッチさせないから!」

「そんな!私の生きがいがぁぁぁぁぁ!美波ちゃん…酷過ぎるよ、私美波ちゃんなしじゃ生きていけないのに…」


 私とエッチするのが生きがいって。まぁ、由香里とするの私も好きだけど…


 泣き崩れるように床に倒れた由香里を見て、私は少し罪悪感を覚えてしまった。だがしかし!私の意志は固い!決して屈しはしない!


 これまで由香里のすべてを受け入れてきた。でもそれは人目のないところでの話だ、今回みたいな多人数がいる空間での公開羞恥プレイはちょっと私も受け入れられる器を優に超えているよ!


 相沢美波、これは由香里を甘やかし過ぎた自らへの罰なのだ。そう心に強く言葉を残し、私は大好きな由香里に大いに反省してもらうためにこう告げるのだった。


「今日から2週間!禁欲生活開始です!」


 そして由香里の禁欲生活が始まったのだった。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

あと3本で一旦完結です。 お楽しみに。

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