第3話

 そこから数ヶ月間、なにも無かった。考えれば当然だがなにも無いから人が減っているのだ。

 競う相手が居らずただ身体能力の差を明確にするだけとなった運動会は行われず、島外へ遠足に行く予算もあるわけが無く。

 唯一やったことと言えば夏休み期間に俺が提案した校舎を使った肝試しくらいだ。奇数人のため、余った人は先生と行くことになるのが問題点だったが予め参加する人に希望をとったところ偶数人になったため、その問題は無くなりつつがなく終えることができた。

 この件に関して、3人しかいない教師の内の一人、大原知世おおはらともよ(ほんわかおっとりしてる)先生にナイスアイデアです!と褒められた。

 たまたま思いついただけです。と社交辞令をしておいた。

 そしてあっという間に1年が過ぎた。肝試しを始め、テスト勉強会、近くの山への遠足等色々なことを通じて仲良くなれたと思う。

 やることが少なかった割には1年が速く感じた。俺が思ってる以上に俺はここが好きなようだ。

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