第3話 「地下道ダンジョンLv30。そして廃屋での出会い①」
◇
それから寿限ムは『避難
まあ別に、2人とゆっくりするのも悪くはないんだけれども……Lvを上げないことには、ずっとこのままあの2人の弟分扱いされる気がするし。
「……そう言えばあの2人が戦ってるとこ、まだ見たことないよなー。……実際、どんくらい強いんだ?」
さっきも何かさらっと『ドラゴンを1匹倒した』なんて言ってたし。Lv70クラスの実力……かなり気になる。
──まあ、それはそれとして……まずは『
……しっかしここ、色んな建物があるな。まあここで結構な人が生活してるんだもんな。よく考えれば当たり前か。あのデカい建物は……『体育館』か。
入り口の前には、これまたデカい看板が立っている。それは設備紹介の看板だった。寿限ムは気になって読んでみる。
なになに、卓球場、バスケットコート……プールまであるのか。そしてどうやら緊急時には、救援が来るまで立て籠もるシェルターの役割をするらしい。
……いや逆だな。『緊急時のシェルターを普段は体育館として開放している』と言った方が正しそうだ。
そしてその他にも、パラソルの下でオッサン4人が卓を囲んで何をしているのかと思えば、4人でTVを見ながら麻雀をしていたり。そんなこんなで『避難
バリケードは工事現場にあるようなヤツをさらに強化したような感じで、かなり丈夫そうだ。門の前には警備員が立っていた。
そして寿限ムはスマホを取り出すと、アプリを起動する。
名前は『
色々機能があるが、今回は『ダンジョン位置情報』を開く。すると地図の中に自分の位置と最寄りのダンジョンの場所がピンで表示されるのだった。これでダンジョンの場所を確認できるって訳だな。
ダンジョンの入り口は……なるほど、あの廃屋の中だな。そして寿限ムはその家の前までやって来ると、朽ちた扉を潜る。
元々は一般家庭が生活する普通の一軒家だったが、モンスターの襲撃により放棄された家らしい。2年放置されただけあって、もはや廃墟と言っていい。
そして寿限ムは廃墟となった室内を進むと、風呂場までやって来る。なるほど、浴室のタイルに大穴が開いていた。ダンジョンの入り口の階段だ。
寿限ムは躊躇うことなくその階段を下っていく。そして降りた先にある扉を開けると、そこには地下道のような外見のダンジョンが広がっていた。
コンクリートの外壁。天井には切れかかって明滅する蛍光灯。そしてパイプが先に続いている。遠くで「ぽたっ、ぽたっ」と水の音が聞こえてきた。何やらジメジメした湿っぽい空気を感じる……。
──【ダンジョン攻略推奨Lv:30】
「ん。アプリの情報通りだな。Lvは30か、これぐらいなら余裕だろ」
とりあえずダンジョン攻略を目指しつつ、Lv上げでもするか……
そして寿限ムは、その『地下道ダンジョン』を先に進むのだった。
◇
地下道は幾度も横道に分岐し、複雑な迷路を形成していた。
寿限ムは早速アプリを確認する。よし、ちゃんと投稿されたマッピング内容と自分の現在位置が表示されているな。
……流石にコレがないと道に迷うからな。最悪入り口まで戻れないまである。俺一人じゃマッピングなんて絶対無理だからなー。刻花もいないし。この『
そして少し進んだところで、寿限ムはモンスターと遭遇する。
どこにでもいるゴブリンは、地下道でも元気にこん棒を振り回していた。Lvは30だがゴブリンはゴブリン。寿限ムはサクッと倒すと、先に進む。
ちなみに、現在寿限ムはジョブを『
何しろジョブLvをMaxの40まで上げれば、上位のジョブを開放できるらしいのだ。そして現在の『
とにかく『
──隠しジョブ『???』の解放条件である。
寿限ムはオーガに勝利した後、『オーガの好敵手』と言うスキルを取得した。これが『とある隠しジョブ』の解放条件の4つのうちの1つになっていたのだ。
スキルというものがこの世界に現れてから早や2年。既に様々なことが解明されている。『隠しジョブの解放条件』もその1つだ。
そしてネットの情報を見て判明したのは、『オーガの好敵手』というスキルを手に入れたのは、この日本で寿限ムただ1人という事実だった。
……「マジで!?」と思うと同時に、「まあそうだよな」とも寿限ムは思う。
なにせその解放条件というのが、『武道家系のジョブで、自身より高Lvのオーガを単身討伐する』というものなのだから。
──つまり現状、この『隠しジョブ』を取れるのは俺、ただ1人だけ。
……だったら取るだろ! 当然!
残りの3つの解放条件は既に判明済みだ。そして現在寿限ムが狙っているのはその中の1つ──『
という訳で、まずは『
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[告知]
近々タイトルを改題予定(でした)。
※追記[2024/2/5]
現在保留中です。
もっといいタイトルが思いつくまで、タイトル変更は保留かも……(スマヌ)
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