家に招かれる

 遊びにきたことを話したのか、親御さんからお礼の電話と共に、逆にモイラの家へも招待された。


 というか、入るや父親は仕事で母親はちょっとしたお礼のやり取りだけですぐに出掛け、わたしとモイラだけ残される。


「今日、パパもママもしばらく帰ってこないよ♥ 二人っきりだね♥」


 親が出るや、いつものように挑発的なことを言う。そのまま手を引かれ、彼女の部屋に招かれた。


「どう、可愛いでしょ女子小学生の子供部屋♥ ここでイケナイこととかすると思うとドキドキしない?♥」


 パステルカラーの家具や小物が多かった。ふと、ポスターが目に留まる。

 いつもの地雷系や量産系のような格好でアイドルみたいなポーズをきめているのは、モイラだ。


「気になる?♥ あたし読モやってるの♥ 読者モデル。可愛いでしょ♥」


 言って、本棚から複数の雑誌などを取ってきた。女子小学生がメインターゲットのファッション誌だ。


「この号。お気になんだ♥」


 しばらく二人で、それらの雑誌の鑑賞会になる。


「これはブスに写ってるから見ちゃダメ♥ ――隣の子仲良しなんだよ。あたしより幼いから、ロリ好きのざこ大人さんに紹介したげようか?♥ ――この子スタイルいいよね、こんな風になりたいんだ♥ ――こっちの服も好きだけど、もうちっちゃくなっちゃったんだよ。おっぱい膨らんできたから♥」


 普通に可愛いので、楽しみながら次々出てくる雑誌が捲られるのを見ていると、趣の異なったページが出てきた。


「ここは女の子のカラダの悩み相談とか書いてるとこだね♥ あたしら、そういう時期だから♥ 生理用品とか、そういうの入れる小物入れの紹介とか。あたしが持ち歩いてるポーチにも入ってるよ♥ 赤ちゃんできるようなことする時は気を付けないとね♥」


 反応に困っていると、さらに反応に困る別の冊子を出してくる。


「こっちはジュニアアイドル雑誌だね♥ 地方のアイドルもやってて、水着グラビアとかもたまにやってるの。写真集もあるよ、まだ一冊だけど♥」


 ミモラを含む、小中高生のグラビア誌だった。

 彼女を含む、スクール水着やビキニ、ブルマの体操着の写真などを披露されて目のやり場に困る。


「最近はいろいろうるさくて、大人の衣装より露出少なくてつまんないかもだけど♥ ざこ大人さん的には残念だね♥ でもあたしのちょっとエッチなIVとかもあるよ♥」


 その後は、彼女のDVDを一緒に見るはめになった。

 こちらもさっきの写真集の動画番で気まずい。


「このチャプターとかエロエロだよ♥ ――バランスボールに座って跳ねながらはあはあ言ってるのって、なんかしてるみたいじゃない?♥ なに想像したの?♥ ――今のシーン、一時停止にしたら何か見えちゃいそうだったね♥ ――お風呂で泡だらけで水着隠れちゃってるのって、実は裸みたいだよね♥」


 さんざんからかわれて、やっとビデオが終わる。


「どう?♥ さっきから写真とかビデオで見てた水着とか体操服でちょっとエッチな格好してた女子小学生アイドルが隣にいるわけだけど♥ 何かしたくなっちゃったりしない?♥」


 隣あって座るモイラが、手を重ねてくる。

 焦って確認すると、上目遣いで意地悪そうに目線を合わせてきた。


「裸に近い女子小学生をじっくり観察するなんて、今どきなかなかできないもんね♥ こうやって手を握ったりとかもっとできないのに♥  その気になっちゃえば、水着で隠れてたとこも見れるし触れちゃうんだけどな♥ ざこ大人さんはどうするのかな。クスクス♥」


 危ない。危なすぎる。

 というところで、玄関を開ける音と帰宅の声と共に、親御さんが帰って来てどうにか助かったのだった。

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