冬も楽しまされる
冬には一緒にスキー場にも行った。
可愛らしい色使いではあるが、普段スカートをはくモイラとしては珍しい長袖長ズボンのスキーウェアも新鮮な印象を与える。
「ざこ大人さん的には残念だよねぇ、女子小学生の肌の露出が少ないから♥ でもあたし運動はダンス以外あんま得意じゃないから、手取り足取り教えさせたげる♥」
確かに。モイラはスノーボードに乗っていたが、あまり滑りは上手でなく何回か転んでいた。
何度めかの転倒で、モイラに乗っかられる形で二人で倒れた。
「ごめっ~ん、わざとじゃないからね♥ それとも、ざこ大人さんは女子小学生のお尻に潰されて喜んじゃうドMのヘンタイさんだったりして♥ ああ顔に雪もついちゃった。また白いのついてるからって変な想像しちゃうかなぁざこ大人さんは♥」
クリスマスが近づくと、近くで行われていたイルミネーションを見にも行った。
タイツをはくも短めスカート以外はさすがに厚着なモイラだが、身を寄せてくる。
「ぎゅー。腕組んで密着、嬉しいでしょ?♥ 薄着はキツいけど、こうやってくっつけるのは冬の特権だよねぇ♥ 夏べたべたすると暑いもんね。ヘンタイなざこ大人さんは、そっちのほうが好きかもだけど♥」
あちこち見て周りながら、彼女は途中で買った缶の甘酒を飲む。
「甘ぁい♥ この白くてドロドロした液体、あったかぁい。ごっくんしちゃった♥ また変な言い方したって?♥ 何も間違ってないじゃん、ざこ大人さんが変な想像してるだけだって♥」
やがて綺麗に飾られた、クリスマスツリーの前で足を止めた。
そこでツリーを見上げながら、モイラは話しだす。
「ねぇ、ざこな大人さんは知らないかもだけど、クリスマスの由来は救世主の誕生日って話なんだよね♥ その人のママって、一説だと12歳。今なら小学生で妊娠出産したって説もあるんだよ♥ で、結婚相手のパパはおじいさんだったんだって。今なら確実にロリコンだよね♥」
急に賢さを出してきたモイラを見たが、彼女はツリーを仰いだままだった。
「でもママのお腹にはもう赤ちゃんがいて、パパからすれば誰の子かもわかんなかったんだって♥ これって当時では違法だったんだよ♥ けどパパは法律違反を許してママと幸せな家庭を作ったの♥ すごくない?♥」
そこでやっと、こちらを上目遣いで見上げてきた。
「ざこ大人さんはどうかな♥ あたしのこと好きでも我慢してるなら法律が理由?♥ 好きな人より決まりごとが優先なわけ?♥ なら、あたしを嫌いになれって法があったら嫌いになるの?♥ それってホントに誰かを好きだなんて言えないざこ恋愛じゃないかなあ♥」
このときはまだ、わたしは答えを出すことができなかった。
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