第23話 終わりがあるならそれはあっけない




 ……。


 意識が飛んでいた。


 痛みとともに覚醒する。


 気がついたら誰かとともに手をつないで倒れていた。


 自然の先には、手があった。


 でも、それしかなかった。


「ね、い?」


 前々から思っていた事がある。


 人生には終わりがあるなら、それはあっけないものだろう、と。


 事実そうだった。


「うそだ」


 罪人が見下ろしている、その手に炎を宿すのではなくて、凶器をもって。


「こっちで人を殺すのは久しぶりだ。面倒くさいな、もう死ねよ」


 ざくっ。


 体に突き立てられる凶器。


 痛みが襲ってくるけど、致命傷だったのかすぐに意識が落ちていく。


 ああ、人ってこんなに簡単に死んでしまうんだ。


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