第20話 追いついた罪人



 罪人は笑っていた。


「はははっ、さあ狩りの始まりだ!」


 セロは、叫んだ。


「みんな、逃げろ!」


 恐怖を思い出した村人たちは一斉に逃げ出す。


 罪人は、そんな村人達に嬉々として襲いかかっていった。


「はーはっはっは! 一人残らず救済してやるから、俺を長く楽しませろよ!」

「うわああああ! 助けてくれ!」

「ぎゃあああ! 火が!」


 セロは、耳をふさぎたくなった。


 顔見知りたちが、次々に罪人の手にかかっていく。


 助けたかったがセロは、何人もの人を残らず救えるような英雄ではなかった。


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