第3話 ネイ・リーシュ・ニユリ



 ネイは、この町では倒れるお姉さん的な存在だ。

 小さな子供の面倒をよく見るし、他の住民の頼み事もきっちり引き受ける。


 頭もよくて、性格も良い。


 欠点なんて見つけらないくらいの完璧美人。


 そんなネイは、とりたてて秀でた所のない僕によく声をかけてくれる。


「おはよう、セロ。今日もお仕事の日よね。一緒にいきましょう」


 彼女の仕事場は違う。


 彼女は楽器を作る仕事をしているから。


 けれど、彼女はこうやっていつも迎えに来るのだ。


 職場が近いから、という理由で。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る