【アニメ・特撮感想】2023年夏期

 大混戦の夏。


 全く別のジャンルから、それぞれ名作クラスが飛び出してくるスタートになったかと。完全にノーマークなタイトルからも面白い作品が出てきており、コレだから新アニメの全チェックはやめられませんな、という新クールの醍醐味を改めて味わった夏の始まり。


 まあ、そもそもPVも見なけりゃSNSもロクにチェックしないんで、よほどのメジャータイトルじゃなきゃほぼ全部ダークホースなんですがね(オイ)。有名シリーズでもどうせ事前情報も調べないし……。まっさらな頭で虱潰しにしていくのは毎期楽しいです。




【ファンタジー枠】


 ハイ、ロー、異世界、現代、学園系や時代系を問わず。ファンタジー色の強い作品から四つを抜粋して紹介します(括り雑じゃね?)。それぞれに個性の違うファンタジー系が集まっており、特に恋愛作品にまで絡んでくるという豊作っぷり。




・アンデッドガール・マーダーファルス


 伝奇系怪異モノ。


 架空の明治時代を舞台に、とある男に怪異を殺す鬼の力を植え付けられたヒーロー、真打津軽しんうちつがると、また同じ男の手により首だけにされた不死のヒロイン、輪堂鴉夜りんどうあやが、犯人を追ってヨーロッパを旅する、という物語。


 ヒーローが面白ければヒロインも面白い。津軽と鴉夜の掛け合いが非常に小気味良く、一々笑えてしまうコミカルさで、一話から一気に引き込まれた。二人がお互いに異常に察しが良く、話の本題本質にズバズバ容赦なく切り込んでいくおかげで話の展開も速い速い。出し惜しみが一切無い。多少のメタ読みで察せられる設定はもう向こう側からガンガン先出ししてくる構成である。


 また話も設定も世界観も面白い。作画も独特ながら作品のめちゃくちゃ雰囲気に合っていると、導入からひたすら面白さだけを見せつけてくれた作品でした。




・Helck


 まおゆう系ファンタジーモノ。


 魔王が倒されてしまったため、次期魔王の決定戦を開催する四天王のヒロイン、ヴァミリオの下へ、何故か「人間が憎い、滅ぼしたい」という勇者のヒーロー、ヘルクがやってきて……という物語。


 まず特筆すべきは一話からコメディとしての勢いだろうか。主人公、ヒロイン、その他の主要キャラからモブまで、基本的に変な奴しか居なくて掛け合いが面白いのなんの。特にヴァミリオちゃんのシャウト。始めはまだ「バカアアアアアアアッ!」だったのがいつの間にか「バ(ヵ)アアアアアアアアッ!」になっていくのが面白すぎて笑いまくった。


 導入としては基本ギャグ色強めで進みながら、どうにもシリアスな闇の空気感もヒシヒシと感じられる物語と世界観に今後が楽しみ。




・ライアー・ライアー


 学園系現代ファンタジーモノ。


 多くの学生たちがしのぎを削る学園都市で、ひょんなことから『最強』の座に君臨することになってしまった雑魚系の転校生、篠原緋呂斗しのはらひろとの物語。


 実に王道ラノベらしく、一話から主要人物のキャラ立てはもちろん、物語や設定についても特に説明なく、ただ描写だけで見せてくれるというお手本のような導入である。コミカルにギャグ寄りな掛け合いが楽しく、話の展開も速いため目が離せない。


 特筆して個人的におススメしたいのが、いわゆる『俺TUEEEE』なイキリ系主人公を逆手に取った構成だろうか。主人公の緋呂斗は前述の通り、偶然まぐれで最強の座に就くことになってしまっただけの取るに足りない雑魚である。しかし己の目的ゆえ、嘘でも何でも『最強』を張り通さねばならない。内心ではクソビビりつつ、しかし見せかけのハッタリと多くの有能な仲間の手を借りながら最強を演出し続ける。


 傍から見ればただ鼻につくだけの最強野郎なのだが、実情を知ってる視聴者と身内にしてみればそのギャップがただただ面白い。ああ、嫌われるタイプのキャラってこういう使い方をすると面白くなるのかと、新たな発見を得られた。この辺、一話はもちろん二話からもアクセル全開なので、ぜひ笑いながら見て欲しい。




・ライザのアトリエ


 アトリエ系ファンタジーモノ。


 うーん、ふともも(さもありなん)。そして乳尻(さもありなん)。カメラさんの一々露骨なフォーカスが笑いを誘う(どこで笑ってんだお前)。


 ふとももばっか言われて有名なライザであるが、個人的にはクラウディアちゃんが好きです(逆張りオタク君さあ……)。いや、好きだろ!? 皆好きだろうがああいうかわいい女の子!?(必死か)


 クラウディアちゃんルートをお願いしますこの通りですから(土下座)


 アトリエシリーズは、私はソフィーしか遊んでないので、これを機に他シリーズに手を出してみるのもアリですかね。ちなみにソフィーではコルネリアちゃん推し(このロリコンが)。しかしソフィーでは『並、並、巨、貧、巨』の振り分けだったのがライザは『巨(ふともも)、並、爆』で来てるのが最近のムーブメントを感じさせますな(殴)。


 あ、私は大きさより誰のものかが重要ですハイ(聞いてない)




【恋愛枠】


 ラブコメ、というよりは純粋に恋愛色が強いためこんな表題で。新規に二作品、続きモノとしても『シュガーアップル・フェアリーテイル』が来ており、枠としてはかなり豊作に思います。




・わたしの幸せな結婚


 乙女系恋愛モノ。


 とある名家で落ちこぼれと虐げられ育ったヒロイン、斎森美世さいもりみよが、冷酷無慈悲として知られるヒーロー、久堂清霞くどうきよかの下へ嫁ぐことになり……、という物語。


 乙女作品ながら、ヒロインの境遇がいやあきっついきっつい……。見てるこっちが苦しくなるレベルで「も、もう少し手心加えてもいいのよ……?」と思ってしまうが、これから幸せになっていく『溜め』だと思えばこれもまた受け入れるべき闇……!(葛藤)


 そして女性向け作品特有のドチャクソイケメンヒーローよ……。ヒロインもそうなんだけど、男性向け作品では絶対に見られないタイプの男女が見れるから、乙女系の恋愛モノ漁りはやめられませんな。


 何やら異能やら怪異やらのファンタジー要素も噛んでくるようで。これからの二人がどうなっていくのか、現時点では全く読めないけど、これも期待の一作です。




・白聖女と黒牧師


 日常系ラブコメモノ。


 小さな教会で働く聖女のセシリアと、牧師のローレンスによる、くっつくんだかくっつかないんだか、実にもどかしい系のラブコメ。


 っぱ動画工房の日常ラブコメなんだよなあ!!!(急にどうした)


 かわいい。もはやこれ以上に語るべくもあるまい。とりあえずOP見てくれOP! これだけでもう視聴確定レベルだから! 40秒~45秒の部分だけ既に100回はリピートした……(暇かよ)。セシリアちゃんがかわいすぎて無限に見ていられる。


 通常作画からデフォルメ作画まで、何故に動画工房のラブコメはこうもキャラが可愛いのか……。しかも知らずに見始めても「あれ、これ動画工房じゃね……?」と第六感に働きかけてくる謎のオーラ。毎度作風違うはずなのに何なんですかね、言語化できないナニカが確実に存在している。


 実は原作の方をある程度読んでいるので、脳内イメージを変えないためにスルーするつもりだったのだが……。完全にかわいさで上書きされてしまった。コレを見ないのは日本アニメに対する冒涜と言っても過言ではないだろう(過言だろ)。見ないつもりで確認して、数分で覆されてしまったさすがの動画工房クオリティでした。




【SF枠】


 新規に二作品、さらに再放送から『大雪海のカイナ』まで来ているという、SF系としては中々ない並びとなっている今期。演出上の難しさなど何のその、導入からそれぞれの見所を十全に発揮してくれる作品が集まっております。




・SYNDUALITY Noir


 SFロボモノ。読み方は『シンデュアリティ ノワール』。


 何かしらの理由で文明が崩壊し、異形が地上を闊歩する近未来世界で、人々の生き残りを描く物語……、と言ってしまうとかなりハードモノに聞こえるが、そこまで追い詰められた雰囲気はなく、ノリとしては軽めな作品。


 勢いがとにかく凄まじい。「説明しないから、とりあえず見ろ。そして感じろ」を地で行く映像作品の鑑。とりあえず一話の感想としては「非の打ち所がない」。普通にアニメとしても、SFとしても、ロボモノとしても完璧以外に言うことがなかった。


 ただ描くことだけで伝わってくるSF設定と世界観、人々の生き様。ロボモノとしてはお約束となる、主人公機の起動とヒロインとの出会い。それに加えて、初っ端から10人に及ぶ主要登場人物をキャラ付け完璧とか、マジかこのアニメヤバすぎる……。


 もしこの勢いのまま突っ切ってくれるなら、前期の水星の魔女にさえ比肩しうるかもしれないクオリティでした。




・AIの遺電子


 AI系SFモノ。


 中々どう語ったものか、悩む作品であるが、一言で言い表すなら『人間と同レベルで愚かに作られたAIたちの物語』であろうか。人間社会との様々な関わりから、必要以上に高性能には作られていない、良くも悪くも実に『人間らしい』人工知能たち。


 彼らの抱える苦悩は人工知能であるがゆえの悩みにも見えて、その実、ただ人間であれば誰しもが直面するものに過ぎない。そんな彼らAIたちの『愚かしさ』を通して、人間というものの在り方を改めて見せつけられる。二話まで見た感想としては、そういう表現に行き着くのかと思われる。


 人工知能が話題の昨今、改めて新たなアプローチにて描かれるAI作品かと。今後どのような展開を見せるのか、非常に楽しみ。




【ギャグ枠】


 んまあ一枠だけなんですが……(だから分類が雑だって)。実は上で紹介してる作品の中にも、コメディ色の強いものがあったりで。その内、ちゃんとジャンル分けを作った上で紹介するべきですかねえ。




・百姓貴族


 農業系五分アニメ。


 ハガレンで有名な荒川弘さんが農業について語る、ギャグ系の五分アニメ。いや、面白い。たった数分にガッと詰め込まれた、農業従事者ゆえの知見と、それを面白おかしく語る実体験とコメディの数々。五分アニメという枠を十全に生かした構成はかの名高き『てーきゅう』を思い起こさせる。


 ちょっとした手すきの時間にサクッと見て欲しいアニメです。




【再放送、続きモノ】


 再放送だったり分割二クールだったり色々と。前回に紹介しているのは、名前だけ書いて感想は省略します。




・ウマ娘 プリティーダービー


 三期が来るというので、一期二期の再放送を履修中。


 いや、だからなんで昔の私はコレ見てないんだよ……。


 熱い。ひたすら熱い。どこまでも熱いガチの王道スポコンモノ。そりゃあゲームも流行るわと、今さらに納得するすげえアニメである。特に一期三話、スペシャルウィークの弥生賞→皐月賞への挑戦がコレ一話で構成されてるってマジか……。もう一度見直しても、どう考えても体感一時間あるんですけど……。


 マフティーMADで気になって見始めたとは口が裂けても言えない内容(言ってる)。放送当時はアイドル要素苦手でスルーしたのだが、実際見てみるとさほどアイドル要素ほとんど無かったっすね……(大体ギャグ要素扱いである)。最近はアイドル苦手もなくなってきたしU149も楽しませてもらったので、積極的に見て行こうかと検討中。


 ……アイマスもマフティーで気になったとは口が裂けても言えない(言ってる)。あ、ハサウェイ第二部はまだですか?(座して待て)




・シュガーアップル・フェアリーテイル


 パティシエ系恋愛モノ。


 一流の銀砂糖師を目指すヒロイン、アンが、妖精のヒーロー、シャルを始め多くの人々と関わりながら旅をするファンタジー作品。こちらは分割二クールの後期。


 乙女作品とは思えない、障害多きハードな物語と、それをことごとく己の職人としての腕っぷしだけで突破していくアンちゃんの強さが見所。度々立ちはだかる吐き気を催す邪悪共を、片っ端から薙ぎ倒していく爽快感はいやコレ乙女作品ですよね!?(褒め言葉)


 ヒーローたる妖精のシャルもこれまたドチャクソイケメンで……。アンちゃんにしか見せないシャルのデレっぷりや、シャルの前でしか見せないアンちゃんの年相応な可愛らしさも実に良い。『心の女子中学生がキュンキュンする』とか言われていたがまさしくその通りかと……。


 コレだから乙女作品は面白い。今期『わたしの幸せな結婚』と双璧を成す恋愛モノですので、ぜひ一期から見て欲しい。




・大雪海のカイナ


 SF系ジュブナイル……、平たく言うとボーイミーツガール? 最近だとシドニアの騎士で有名な弐瓶勉にへいつとむさんの作品(×にびんべん)。


 これもまた、説明なく演出だけで世界観を見せつけられるSFモノである。開始数分で引き込まれる圧倒的な景色。主人公、カイナの一挙手一投足、言葉の一つ一つから伝わってくる、この世界における人々の思想や暮らしぶりなど、映像作品としての醍醐味がこれでもかと言うほどに詰まっている。


 前回放送時は時間の被りもあって視聴できなかったのだが、10月に映画が公開されるとのことで再放送をありがたく視聴中である。ヒロイン、リリハも可愛らしいお嬢さんで、SYNDUALITY Noir共々キャラ立てと世界観描写が両立されている。今期SF系の双璧を成すかと。


 一要素、魅せ方が完璧な作品って、何故に他の要素も過不足なく伴ってくるのか……。突き抜けた作品探しはコレだからやめられませんな。




・夏目友人帳


 この世ならざる者たちが見える夏目と、妖怪たちの織り成すハートフル作品。


 名作。他に語ることあるかね……?


 第七期(!?)の放送決定ということで、第一期の再放送を視聴中……なんだが改めてやっばいなこの作品……。毎回泣かしに来るのマジで何なの……?


 ある意味ではコレが強すぎるせいで、他の多くの怪異モノ、あるいは現世と幽世モノが「ああ、夏目友人帳みたいなやつでしょ?」で片付いてしまうのがなんとも罪深き作品である。またこれも少女マンガ由来だというのだから少女作品って一体……。


 一期についてはもう三周目くらいのはずなんだが……、もう既に六話を見るのが恐ろしいですな。つ、燕えええええええええええええええええ!!!(壁ドン)




※以下は過去紹介済みなので割愛。

・ひろがるスカイ! プリキュア

・贄姫と獣の王

・ガンダムビルドファイターズ

・ゾイド-ZOIDS-

・仮面ライダーファイズ











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