第十五話 キモ過ぎる程に青森累は勘違いが過ぎて居た。
「何で春下、お前が居るんだ?」
俺がそう聞くと、大きいおっぱいの下で腕を組む春下が廊下の方を一瞬見ながら言う。
「いいわよ、そんなの。そんな事より外で可愛い
か、可愛い
可愛い
「ああ、じゃあ行くわ。隼人ありがとな! ってかぼっちって偏見だろ!」
そう言いながら俺は可愛い
「そんなの、偏見に決まってるじゃん……」ボソッと春下が小さい声で言った。んだよ、偏見で人決めつけるなよ! 次から気を付けろよ!
「っあ累君……やっほ……」
俺が廊下をでると、確かにコミュ症ではありそうな茶髪で短髪の子——
「っあ雨宮か。おはよう」
俺が挨拶をすると、雨宮はポッケから何かを出そうと、右ポッケを
「あった……累君、これ。後で開けてね」
そう言って雨宮は俺に小さい封筒を渡した。
感謝金? ねぇこれ感謝金?(最低)
雨宮は俺に封筒を渡した途端に顔色を赤く染め、下を向いて
「ありが……と」
俺がそう言うと、雨宮は走ってどっか言ってしまった。
「待って、雨宮……ま、いっか。『後で開けてね』、か……今開けちゃお」
俺は自分の席に着くと、雨宮から貰った封筒を開けた。
感謝金〜、感謝金〜、感謝金は……
封筒の中には感謝金……ではなく、一通の手紙が入って居た。
『放課後、東棟の屋上で待ってる。』
屋上で、屋上で待ってる⁉︎
それって、あのシチュエーション⁉︎
女子と屋上に2人きり……凄いね、展開が。早い。
いや、まだ早まるなよ、青森累。まだあのシチュエーションが成立するとは限らない。ので、俺はドキドキ鳴っている心臓の音を理由に集中できなかった授業の後、雨宮の居る屋上へと向かったのだった……
*
放課後、俺が東棟の屋上へ向かって居ると、雨宮と会った。
「累君、来てくれたんだね……ありがとう。……っあ屋上だったね。行こっか」
「ああ」
そして
「ハァ、ハァ。早いよ……累君。もう少し待って……」
雨宮は両手を膝に付け、下を向きながら息苦しそうに言う。
現在は6階。後一つ登ったら屋上だ。早くしてくれないかな……ん?
この学校、校舎高くないか? なんでこんな事になってしまったんだ? 意味わかんない。
「ハァ、ハァ。もう大丈夫。……行こ」
*
ここは屋上。超高い。そんなのどうでも良く、雨宮が真剣そうにこちらを見つめる。
雨宮が風に煽られ、スカートと短い髪をゆらゆら揺らすと、雨宮は大きく息を吸い、吐く。
そして覚悟を決めたのか、雨宮は再度俺の方を真剣そうに見つめる。
「あの、累君!」
雨宮がそう言うと、風は更に強く吹き、雨宮はスカートを押さえる。
今日はいい天気だ。今日は雲一つ無い晴天。強風で煽られるJKのスカート。
「私! 累君の事! す、す、す……」
す? すって……もしかして告はk……
「すごく感謝してる!」
っあ、あー。あーね。はぁ、焦ったぁー。告白されたらすごく困ったぁー。
雨宮はそう言うと、ホッとした様にため息を吐く。
こちとらずっとドキドキしてたのに! ドキドキ……してたのに……。
「感謝してるって……?」
「あれから、千秋が……千秋は優しくなったんだ。ありがとう、ありがとう!」
雨宮はそう言った後、「っあ、そういえば」と言い、スマホを取り出す。
「友達にならない? 2つの意味で」
「2つの意味でってどう言う……?」
「LINNE《リンネ》で友達になるのと、現実世界で、仲良くしよう……って事。っあ無理になろうなんていい……」
「いいよ、なろっ」
俺がそう言うと雨宮の顔は「ぱぁ」と笑顔になる。
「うん!」
そういって俺は雨宮にLINNEのQRコードを提示した。
この日の為、この日の為だけに何処にQRコードがあるのか探してた! 此処で手間取ったらダサいから! そう! 冬先輩の時に手間取って恥ずい思いがあったからね。学習学習。
「っあ来た! って累君アイコン
雨宮はクスッと小さく苦笑する。
アイコン青林檎って悪いか? 悪いか?(反復法)
リンネ♪と、スマホがなる。そしてスマホを見てみると、雨宮からのLINNEが来て居た。
[それじゃあ、宜しくお願いします]
その文章と一緒に可愛いゆるキャラの白黒がお
ナニソレ可愛い……後で買おっ。
[うん、宜しく]
俺がそう送ると、スマホと睨めっこしている雨宮はニコリと微笑んだ。
「それじゃあ、宜しくね!」
雨宮は笑顔で手を上にし、手を振りながら階段に続く扉を開け、その中に入って行った。
その後俺は空を仰ぐと、さっきまで晴天だった筈が、雲がちらほらあった。
「ありがとう、か。いい言葉だな。悪い気がしないな」
*
後日、雨宮からLINNEが来た。
[今度、体育祭の実行委員決めるけど、それで体育祭実行委員やってくれない?]
「え、
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