第十六話 けれど雨宮笑舞は感謝して居た。

[今度、体育祭の実行委員決めるけど、それで体育祭実行委員やってくれない?]


「え、面倒臭めんどくさっ


 雨宮から来たLINNEを見て思わず口にしてしまう。

 取り敢えず、返信をする。


[体実をやれと?]


 俺がそう返信するとあっという間に既読が付いた。


[そう、でも心配しないで? やりたくなかったら教えてね? 強制はしないから]


 強制はしないからって……それ人に物事頼む時の態度か? ……でも、逆手を取れば今回ばかりは拒否権があるって事か。(いつもは拒否権もクソもない)

 ……

 …………

 ………………

 でも、高校生活で生まれて初めて同級生から貰ったお願い、か。

 俺はその一つの考えで決めてしまった。

 

「……やるか」


 そうして俺はカタカタ……と、スマホに文字を打ち込み、返信した。


[やるよ、やってやるよ]


 と。

 すると、雨宮から返事が来た。


[本当? 累君、一緒に? それじゃあ、宜しくね!]


 そのメッセージの後、シロクマがお辞儀をして『お願いします』と言っているスタンプが送られて来た。

 俺はそのスタンプを見たのちに雨宮が使っているのと全く同じシロクマのスタンプを送った。

『ありがとう』の一文字を。


           *


 あれから数日、遂に今日は体育祭実行委員決めだ。

 5時限目のチャイムが学校内に響き渡る。

 皆んなはスマホを仕舞い、とある生徒が席を立ち、黒板に向かって歩き出す。

 そのとある生徒——伏見隼人が教卓の前に立つと、みんなに聞こえる声でこう言う。


「これから、体育祭の実行委員を決めます。起立、礼、着席」


 隼人がそう言うと、隼人は急に白い紙を見る。

 っあー、カンペって奴ね? カンペって奴ね?

 

「先ずは体育祭実行委員を決めていこう。体育祭実行委員やりたい人、挙手」


 よし来た。此処で手を挙げ……


「やります」


 何処かで聞いた事のある声が前の方から聞こる。そしてその方向を見ると一つ手が伸びているのが見えた。

 その声の主であり、体育祭実行委員に立候補したのは紛れも無く学校三大美人の1人——春下心だった。

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