第十三話 青森双葉の愛情たっぷり弁当は至高の味だった。

         翌日


 シスコン先輩からバイバイして15時間。現在の時刻は12時。昼休みだ。

 俺が飯を食べて居ると、いつもは見えてくる千秋と隼人の二人組が、今日は見えなかった。

 やっぱし昨日の事があったら少し離れるだろうなぁ……

 今日の弁当は……ん?


『今日のお弁当は、双葉ふたばが作ったよ! 愛情たっぷり作っといたから、いつものお母さん弁当みたいに残しちゃメッ! だからね〜! ルイにぃ唯一の妹 双葉より』


 俺のお弁当の袋には、そんな手紙が添えてあった。

 か、可愛い……いや、これはシスコン関係ないんだかねっ!(ツンデレ風)

 そしてお弁当を開けると、可愛い可愛いヒカチュウ弁当があった。今時キャラ弁? よく頑張ったなぁ! 双葉!

 ほっぺの赤いのはカニカマ、目や口、耳の辺りには海苔を切って作った跡(あと)。ヒカチュウの黄色い部分はオムライスだった。

 まて、黄色い体から赤いお米が出てくるってグロくないか? ん? 危なくないか?

 一口運ぶ。

 んー、美味い!

 美味い、美味い、美味い、美味い、美味い……

 美味い!

 まずいまずい、美味いを連呼し過ぎてしまった……高校生として不甲斐ない!


          *


 あー、美味しかったぁー。

 量が多かったが、双葉が作ったのなら問題ない。

 俺の席は席替えをした後に窓側の席になっており、太陽が超気もちぃ。

 食後と言うのも相待って眠い……

 コクッ、コクッ……


          *


「累〜、累〜」


 誰かが俺に話しかける。無理ぃ、後5分だけぇ。

 本当にちょっとだけでいいから、先っちょだけで良いから!

 

「累〜、おきてるかぁー? 累〜」

「寝てますよぉ」

「お、起きたじゃんか。おはよう、累」

「おはようございます…….だれ?」


 えーっと、茶髪、高身長、イケメン……知人におらん。

 もしかして秋先輩あのシスコン⁉︎

 否、それはあり得ない。冬先輩の兄だって言ってたし。この学校にも居ない。

 

「累、それはちょっと酷くないか?」

「いやだって本当に分からないから……」

「ま、仕方ないのかな? イメチェンしたし」


 イメチェン? ナニソレオイシイノ? 俺はしたことが無いので言葉でしか見た事がない。

 でも本当に分からないので、ヒントを要求する。


「ヒント! ヒントを下さいっ!」

「ヒント:髪色変えた(地毛に)」


 あれ? なんか髪色違う人……あ!


「伏川 隼人!」

「正解、100000000点だ」

    

           *


「でも伏川は、なんでこんな所に? 彼女は何処なんだ?」


 俺が伏川に聞くと、伏川は苦笑しながら答えてくれた。


「いや、俺な。学年委員長になろうと思うんだ」

「唐突⁉︎」

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