第5話暴力性の裏側
僕は見た目とは裏腹に凶暴です、見た目はおぼこいです。おぼこいは関西弁で幼く見えると言う意味です。
暴力、街中で喧嘩をしたり、素行が悪いいわゆるヤンキーはどんな育ちなのか。
僕は大きくわけて2種類だと認識してます、弱い者に、守るために。
弱いものに暴力をふるっているのを見て育ちそれを真似した人種。
弱いものに暴力ふるっているのを止める為の暴力。
人の痛みは同じであり、みんな殴られたら痛い。でも自分が殴られるより、痛い事がある。それは大事な人、すばり自分の子供。
その痛みがわからない人がたまにいてる、痛みを知ってるから人にもできないはずなのに結果、暴力に対する恐怖心がトラウマになる事もある。
人は時におかしくなる、たかがはずれる。
そんな言葉があるが意味はコントロールが効かなくなり、やってしまう。
今回はコントロールをうしなった自分の父からの暴力について、ふるわれた側がその後どうなったのか、自分の解釈で表現します。
僕は暴力を保育園から受けていた。しかし記憶としては小学生低学年からある。鮮明に覚えている事だけ話します。
暴力の表現は児童虐待、見ていい気持ちになるものでは無いし、盛ったりしていないし、本当の話。
僕は同情もされたくないし、結果として良かったとさえ思ってる。ネガティブな考えを持つ人もいてるかもしれないが、結果論ではあるが良かったと本当に思ってる。
無力な母に父親の壮絶な暴力。無力な僕が母をかばい意識がなくなるまで殴られる。何回繰り返したかわからないが、暴れる父、殴られる母、食器が割れ、物音と罵声。幼少期初めて暴力を知り、暴力の怖さを知った。
母は自分が殴れるより、僕が殴られる方が辛かったと思う。僕は自分が殴られるより母が殴られる方が辛かった。
僕が小学一年生時、夜母親に頭を撫でられながらごめんなゆたか、ごめんなって言われたのを覚えてる。
何故か寝たふりした。父からの暴力について記憶にあるとは言ったことはないし、父の暴力の話を言われてもそうなんや、って知らないふりや聞いても流していた。理由は僕にそれらの記憶があると言えば、母がショック受けると思っているから。
父の暴力はドラマに出てくる様なかわいいものじゃない。
倒れる母の髪を掴み上げ殴る蹴る。口にも出したくない。
父の暴力は大体が食事中、兄に対して始まっていたと思う。
父が兄のご飯の食べ方が汚いと怒り、泣く兄。母が食事中やめてあげて、そして父がテーブルをひっくり返し、口論と罵声。
兄は3歳の弟の手を引き子供部屋で2人布団を被る。兄がその行動を取った理由は母が大人の話がある時は子供は聞いたらあかん。と言われていたから。母の躾を守る兄、何もわからない弟。僕は母の躾を無視し、自分で考えた行動をする。同じ兄妹で何故行動が違うのか。そして、将来この選択の違いでどんな人生になるのか。暴力の裏側を理解して欲しい、暴力を見た子、見てない子。僕ら兄弟の別れ道。
僕が7歳、子供ながら母をかばっていた。それでも止まらない暴力。年々止める方法が変わり、前に立ち塞がり殴られても母と父の距離を0にさせないようにするが記憶が飛ぶ。理由は気を失うから。
失神するまで殴られ目覚めると母が泣いている、いつも母は血まみれか痣があるのに無くなっていった記憶がある、嬉しいからよく覚えている、僕の行動はよかったんだ、母が痛い思いをしていないのが本当に嬉しかった。
中学生になると父は母に暴力をふるえなくなった、単純に息子にやられると思ったから。取っ組み合いになっても父を突き飛ばし、昔のようにいかないと父は理解していた。
母が昔、父に捨て台詞を吐いたのを鮮明に覚えてる。この子らが大きくなったら私に指一本触れられへんからな。
まさにであった。
小学生で失神する程殴られ、耳を半分ちぎられ、眼球から血が流れる程殴られたら怖いはずだが母を守る為恐怖心を超越し、その結果恐怖心が無くなった。
今も僕は恐怖について感じれない部分が多く人に理解されない時がある。なんならびびってないと強がってると思われている、僕になったら誰でもそうなるはず。
しかも僕は家でも学校でも戦っていた。理由は兄。いじめられていたから。
兄は泣くだけ。
やり返さない。
だからやられる、面白がり、もっと激しくなり、過激になる。
兄がやられていたら僕は一つ上の上級生が複数人相手でも突っ込む、喧嘩で負けた事がない。体が恵まれていたとかではない、身長順で僕は二番になった事すらない、いつも1番前。
喧嘩が強くなった理由は恐怖心がなく、父の暴力に比べたら痛くも痒くもない。大人の暴力を乗り越えた僕は強くなれた。暴力は守る為なら正義だと思っていたが否定されたことがあった。
当時は理解も納得もできないし悔しかった。
答えは賛否両論になると思うがそれでも僕は間違えていないと今だに思える事件があった。
僕が小学校四年生、兄が五年生の時。
僕は口数が少なく、当然泣いたりもしなかった。言い訳もしない子供だった、母から男が言い訳するなと言われていたから。
そんな僕が大泣きをし、涎も鼻水も出し泣いて帰ってきた。怪我をしていると思い、母は慌てて病院に行こうとしたが嫌がる。
理由も答えない、喧嘩に負けたのかと思ったはずだが僕は複数でやられても返しに行っていたから何故泣いているのかわからない。
母は理由をひたすら聞く、しかし僕は歯を食いしばり頭を横に振る。
母はすぐ学校に行き、何があったのか先生にたずねた、先生から兄の友人に暴力を振るい、怪我をさせ、その親が学校に乗り込み、僕に謝罪をさせろと言われ、終例時みんなの前で謝罪をさせたと話した。
母は暴力の理由をなんとなく、予想はできていたが何故暴力を振るったか僕に尋ねた。
答えない。僕は何も言わない。
兄のようすけに何かあったんやろ?教えてと言った。
僕は歯を食いしばりおかんが男のくせに言い訳するなっていうたやろ。悪いのは僕やねん。
と言った瞬間に母が悔しそうな表情をし手を引き小学校に戻った。
ゆたか、なんで人を叩いたのか言いなさいと言われ、理由を言った。
おにいちゃんが昼休み牛乳を頭からかけられ、泣いているのを数人で笑い、残っている給食をランドセルに入れられ、椅子から蹴飛ばされていたから僕はそいつらに殴りかかり、逃げる奴を追いかけ、殴り倒しおにいちゃんに謝れと言って謝るまで殴った。
母が先生に言ってセリフは鮮明に覚えてる
うちのゆたかは悪いけど卑怯な事はせん、
それだけは覚えといてくれ。
上級生相手に向かっていき無傷なわけが無く、手、顔、首いたるとこにひっかき傷、鼻血、それなりの怪我はしていた。
先生は偏見があり、問題児と僕を認識していたから、僕が問題を起こしたと認識していたとおもう。
母は兄が学校で泣かされいる事は知っていた、でもどんな事をやられていたかは兄と僕、2人の秘密だった。
その日も兄が牛乳をかけられた後、僕の服で髪を拭き、手洗いで兄の服を洗い、母にはばれないようにしていた。
情けないが髪を拭いている時も、兄はうわぁーと声を出し泣いているだけだった。
この話は兄が帰ってきてとんでもない事になった。
兄が帰宅後母が、兄を平手打ちした。
母の言葉は「兄貴が弟に守られて、あんたを守って謝らされてるのを見てなんでかばわんのや、弟が悔しい思いをしてるのになにを遊びに行ってるんや、それでも兄貴か」
これを見た方はどう思うのか、先生が正解なのか、僕が正解なのか。本当の正解は口での解決、それこそ本当の偽善者で、誰が目の前で自分の大事な人が卑怯な暴力で涙を流してるのを見て見ぬふりできるのか。
陰湿なイジメ、数の暴力に対し怪我をするほど相手を痛めつけた暴力。
美化してしまうが、僕は卑怯じゃない暴力だから間違いじゃないと思う、暴力はいけない、ではなく相手と理由次第だと思う。
暴力で反面教師として父は役にたっている、弱い者に振るう卑怯な暴力、これらを僕は絶対できない、やらない、男ならかっこいい男になりたいと思っている。
もし、母を見捨て暴力を見て見ぬふりをして、父に怖気ついていたら。
僕の人生はどう変わっていたのか。
ニブンノイチという人生のターニングポイントの節々について思い返して、違う選択肢をしたらどうなったのか、どうしたらよかったのか。
僕も歳をとり、そして息子が7歳になり、昔を振り返り人格形成となる部分で、息子には辛い思いをさせたくないので、思い返してます。
人生に可哀想はないし、惨めなら頑張ればいい、もし今現在辛い心境で、死にたい、自分は哀れだと思っている方がいるなら、逃げずに前を向き死ぬつもりなら死ぬほど仕事をして、逆転する未来を想像してください。
僕もありました、話に書くはわかりませんが、バカな僕が逆転したのですから。
そして、子供を叩いてる方が見ていたら、叩くのもしかたないですがお尻にしてあげて下さい、それでも言う事を聞かないなら抱きしめて優しく言う事を聞いて欲しいと真反対のやり方をやってみてください、押してもダメなら引いてみろ作戦です。
最後に僕の母の面白エピソードで締めます。
僕が小学生5年、兄が6年の時、ひいばあちゃんの家で起きた事故について。
ばあちゃんは大分県日田が故郷で九州にいくのは夏休み楽しみにしてました。
僕の兄はどんくさいです、そして男前です。
よく僕は長男にええとこ全部持っていかれたな、お豆みたいな顔と言われてます。
ひいばあちゃんちに行った時、兄が崖から落ち、顔に傷を負いました、ばあちゃんが母にようすけの顔に傷がついたと電話を入れ、病院も近くにないし、大した傷違うからと言ったら、、、、母はゆたか違うんですよ、ようすけですよと凄んだらしいです。笑
僕は記憶にありませんが、兄が嬉しそうに今だにいじってきます、母も笑ってます。
僕の苦手はそう言う言葉の暴力かもしれません。笑
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