全編通して沁みる淋しさがあって、とても静かでした。
主人公の未だ鮮明な喪失と執着を、紹介文で“望んだ呪い”と表現することに感嘆します。
両親が、彼女の今後の幸せを願いながらもネックレスを渡すことにも、純粋な想いが、図らずも小さな呪いと化してしまう哀しさがあります。
主人公が囚われ続けて欲しいような、いつか吹っ切って欲しいような、複雑な心境になりました。
作者からの返信
先ずはコメントありがとうございます、凄く嬉しいです!
ご両親は勿論、主人公も、亡くなった彼を心の中で側に置いたまま暮らしています。
端から見たら異質で歪な事なのかもしれませんが、登場人物達にとってはそれが当たり前になってしまっています。
良い悪いではなく、そうしなければやりきれない彼らの思いが、静かな淋しさとなって伝わったのなら何よりです。
いずれ吹っ切れる時は来るのでしょうか。望んで彼への思いに身を委ねた今は、少なくとも呪いに縛られていたいのかもしれません。
穏やかな風景の中に少しづつ故人が宿っている、美しい話ですね。
義父さんの音楽、義母さんの餃子、主人公の持参した花束の色。
亡くなった後もこういう風に優しく故人を留めてくれる人がいるならば、生きる勇気を持って欲しかった……と、涙ぐんでしまいました。
年取ると涙脆くてあかんですw
作者からの返信
先ずはコメントありがとうございます、凄く嬉しいです!
少しばかり思うところがあって書いた短編なのですが、この静けさを美しいと捉えていただけるのはありがたいです。
登場人物達は、彼への思いを日常に織り交ぜながら悼んでいますが…この些細な優しさが流れる日常を、生前の彼は気に留めたのか、そこに目を向ける余裕があったのか…先立たれた皆にとっては、もう知る術もないんですよね。
やりきれないお話になりました。涙ぐんでいただき、本当にありがとうございます。
少しお話がずれるのですが…なかなか遅読なのもあり、まだ全部を読めてはいませんが、第二部の執筆、頑張り過ぎずに頑張って下さいね。
楽しみにしています!