第20話
スーダンを流れるナイル川の支流は2つあり、それぞれ白ナイル、青ナイルと呼ばれている。一つは赤道直下のビクトリア湖から流れくる白ナイル。もう一つはエチオピアのタナ湖から流れていく青ナイル。白と青という色は白ナイルが灰色に濁っているのに対して、青ナイルの方が透明度が高い事に由来する。
紀元前2000年にはスーダン帝国が隆盛繁栄し、高い文明を築いていた事が多くの遺跡の考古学的研究が実証している。ピラミットの数は世界最多で1000近くある。
ケルマ遺跡には、ドゥーファと呼ばれる日干しレンガで作られた巨大な構造物がある。高さ19メートルで祭礼施設と考えられている。
ケルマは紀元前2400年頃、ナイル川中流に発達した、サハラ砂漠以南地域に最初に生まれた文明であると考えられている。
サハラ砂漠以南で見られる様な円形の建物が
古代ヌビア文明の特徴の一つである。
ヌビア地方は、金、象牙、香木といった古代エジプトで貴重なものとされた資源に恵まれていた。だから古代エジプトの王は度々、古代ヌビア地方を重要視してきた。
古代エジプト王のファラオが要塞を作ったり神殿を作ったり、拠点を作ったりした。
古代エジプトの王、アメンホテップ3世によって作られたソレブ神殿もここに存在する。エジプトの勢力が弱まった後、アメン神の聖地であるゲベル・バイカル山の周辺に、クシュ王国ナパタ期が興される。
ナパタ王国は北エジプトを支配し、第25王朝を樹立する。
この時代にピラミッドが作られる様になった。
バルカル山、ヌリ遺跡にならんでクル遺跡一帯は“ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群”として世界遺産に登録荒れている。
「ゲベル・バイカル山か・・」
簡単にガイドブックを見たけれど、まるでイメージが湧かない。学生の時使っていたリュックサックを出したもの山村はすぐにリュックをもの置きに押し込んだ。
イブキの人生は彼のものだし、山村の人生がイブキの人生と関わることはもう無い。山村はそう考えた。
海外旅行どころか、来月の家賃だって払えそうにないのだ。
山村は6畳の部屋に寝転んで天井を見た。山村はイブキの事が羨ましく思えた。
山村は大学生の頃、ヨーロッパを二週間程度旅行した事があった。1993年の事だ。 まず成田からフィンランド航空でフィンランドのヘルシンキに到着。そこから列車と船でイタリアまで行くというコースだった。当時列車乗り放題というユーレイルパスというパスがあった。往路と復路に飛行機を使った以外は、ほとんど列車移動だった。その時、一緒に旅をしたのがイブキだった。山村はリュックを物置きに押し込み引き戸を閉めた。同じタイミングでスマホが鳴った。
山村はスマホを手に取り画面をみた。差出人かつて山村が勤めていた会社の社長、柳村玲架からだった。
続く
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