絶望に奇跡を

 二人が向かうのはログの勤め先である診療所だ。

 カルメとログが村へと繋がる道の方を向くと、二人から少し離れた場所で、真っ黒いローブを身に着けてフードを目深に被った人物が立っていた。

 背の高さから見るに、十数歳程度の子供だろうか。

 子供はフラフラとおぼつかない足取りで、不気味な雰囲気を放ちながらこちらへ向かってくる。

「誰だ!」

 カルメが一歩踏み出して鋭く問いかけた。

 子供は数歩カルメ達に近づくと、おもむろにフードをとった。

 その瞬間、子供のローブの中から真っ黒い霧のようなものが溢れる。

「カルメさん! 離れて!」

 ログがグイっとカルメの腕を引くと、間一髪でカルメは真っ黒い霧の塊から逃れた。

「あれ? 避けられちゃいましたか」

 そう言う子供の声には聞き覚えがあって、カルメはその顔を睨みつけた。

 そこには体中に黒い魔力を纏わせたキリが虚ろな目で突っ立っていた。

「お前、あの時の」

 ギリッとキリを睨みつけると、キリは眉間にしわを寄せてカルメを見た。

「兄さんをそんな目で見ちゃだめだよ。ああでもそうか、あの女の子供だもんね。汚いから消さなくちゃね。そうしたら救われるって誰の言葉だっけ?」

 ボソボソとした言葉は不明瞭で、カルメはゾワリと毛を逆立たせた。

「おい、何の話を」

「アルメ様は素晴らしい方だと思ったのに、この世に素晴らしいものなんて一つもないのね。ああ、約束は守らなくちゃ。殺さなくちゃ……そうですよね? アル…あぁぁぁあ」

 髪を掻きむしって絶叫した。

 キリはカルメを見ているようで、カルメを見ていない。

 ブランと腕をぶら下げて、ゆらゆらと揺れている。

 カルメとログはキリを刺激せずに逃げるため、音を立てずにそっと後ずさりを始めた。

 しかし、二人が足音を立てたか否かにかかわらず、キリは急にキッと顔を上げた。

 濁り切った眼は虚ろに、けれど確かにカルメを見つめていて、その下には酷いクマができていた。

 虚ろなまま、キリは絶叫する。

「汚い、汚い汚い汚い汚いきたないきたないきたない! 消え失せろよ!!!!」

 ブワッと大量の黒い霧が、まっすぐにカルメの方へ飛んでくる。

 突然の攻撃に、カルメはそれを躱しきることができなかった。

 ドンッとカルメの半身に強い衝撃が加わり、その勢いのままカルメはゴロゴロと草むらを転がる。

 けれど、カルメはすぐに立ち上がって吠えた。

「ログ!!」

 キリの魔法にぶつかってしまったのは、カルメではなくログの方だった。

 カルメが攻撃される直前にログはカルメに体当たりをしてカルメを魔法から守り、代わりにログ自身がキリの恐ろしい魔法に晒されることとなったのだ。

 ぶつかった霧はログの皮膚に染み込んで心臓を直撃し、水に炭が溶けるようにログの体を侵した。

「ログ! ログ!」

 カルメは草むらの上で仰向けになるログを抱き寄せた。

 その体は酷く冷たい。

 心臓から広がった黒がログを侵して、身体を黒く染め上げていく。

 黒が急激にログの体温を奪い、激しくその体を死へ向かわせた。

「なんで? 僕の邪魔をしないでよ。僕が病にさせるのはカルメの方なんだ。僕に罪を負わせないでよ」

 少し正気に戻った、無機質で弱々しいこどもの声がする。

 カルメはキリの方を赤い目で睨みつけて怒鳴った。

「お前! ログに何をした! 早く答えろ!!」

 カルメの怒鳴り声にキリは体をびくつかせると、オドオドと答えた。

「病気にしたんだ。僕の魔法で。氷の病だ。その人は次第に熱を失って」

 死んでしまうよ、そうキリが言う前にカルメが怒鳴った。

「ふざけんな! 今すぐログを治せよ!」

 喉から血が出るような声量は、辺りの空気や植物をビリビリと揺らした。

 喉どころか、目からだって血が溢れそうだ。

「む、無理だよ。僕には病は治せない。そいつが、そいつが悪いんだ。僕はカルメを狙ったんだ」

 キリが怯えるようにログを見つめて指差した。

 そこにいるのは狂人でも復讐者でもなく、ただの惨めで愚かなこどもだ。

「うるせえ黙ってろ! テメェ、絶対許さないからな!」

 カルメはそう言って怒鳴ると、キリが崩れ落ちて虚ろな目で二人を眺めるのを無視して、ログに意識を集中させた。

 ログは瞳を閉じて、ピクリとも動かない。

 よく見ると胸が微かに上下しており一応はまだ生きているようだが、それもいつまで続くかわからない。

 まるで人形のようだ。

『ねむい。からだが、うごかない』

 苦しくは無かったが、ログはただひたすらに眠気を感じて、思考が凍りついていった。

 自身が死に向かっているのをはっきりと自覚しながらも、抗う気力が凍っていく。

『だめだ、ねむくて。かるめ、さん……』

 それっきり、ログは意識を手放した。

「ログ、ログ、ログ! 返事してくれよ、ログ!!」

 激しい動機と眩暈に晒されながらも、カルメはギュウッとログを抱いて、狂ったように叫んだ。

 けれど、ログは瞳を開けない。

 触れているところが冷たくて、カルメの方が凍ってしまいそうだった。

 黒がログの白い肌を染め上げて、ログを化け物みたいに変えていく。

 ジワリ、涙が滲む。

 そのカルメの涙が滴り落ちて、ログの頬に触れた。

『あたたかい』

 カルメの温かい涙に触れ、ピクリとログの瞼が動いて微かに開く。

 震えるように唇が開いた。

 じわりじわりとキリの魔法に侵されて死にゆくログは、やっとの思いで目を開き、カルメを見つめた。

 目の下を真っ赤にして、唇を噛み締めながら必死にログを見つめるカルメが見えた。

 視界の内ほとんどはぼやけてしまっているのに、カルメの姿だけはやけにはっきりと見える。

 愛情と悲しみと怒りの混ざった瞳はどこまでも美しく、ログは死に囚われながらもその瞳に心を奪われた。

 同時に、カルメに対して極めて強い使命感を覚える。

『いわないと。このままでは、かるめさんはいっしょう、おれにとらわれてしまう』

 力を振り絞って必死に言葉を紡ごうと、ログはかすかに唇を震わせ続ける。

 カルメは泣きながらログの口元に耳を近づけ、愛しい恋人の最後の言葉を聞き逃すまいと意識を集中させた。

「カルメ、あい、してる。いっしょう、おれを、わすれ、ないで。あいして、いて」

 途切れ途切れの掠れた声で言うと、ログは涙を流しながら瞳を閉じた。

 悔し涙だ。

『ごめん、かるめ、おれ、いえなかった』

 本当は、自分のことなど忘れて幸せに生きてくれと言いたかった。

 そうでもしないと、カルメは一生ログに縛られて屍のような暮らしを送ることになると思ったから。

 けれど結局、カルメを縛るようなことを言ってしまった。

 そんな後悔を抱いて、ログはカルメの涙を受けた。

 全身が冷えて感覚がしないのに、カルメの涙だけは温かい。

『いやだな、ひとりにしたくない。いやだ、かるめ……』

 カルメを一人残すのが悔しくて、このまま死ぬのが苦しすぎて、ログは静かに涙を流した。

 しかし、それも次第に止まる。

「ログ? ログ? なあ、返事しろよログ! どうしてこんなに冷たいんだよ! 目を開けてくれ! 私を見てくれよ、ログ!!!」

 カルメは必死でログを揺さぶる。

 けれど、ログからは反応が返ってこない。

 もうじき、ログの全身が真っ黒に染まる。

「ログ! 嫌だ、ログ! 結婚するんだろ。一緒に暮らすんだ。ログさえいてくれればいいんだ。嫌だ嫌だ嫌だ! ログ、ログ!」

 言葉はもはや言葉となって零れることはなく、不明瞭な音がカルメの口から零れ続ける。

 嫌だ嫌だと駄々をこねて涙を流すカルメは、ログの胸元に頭を摺り寄せた。

 いつも温かくカルメを受け止めてくれたその胸は冷たく、まるで氷のようだった。

『死んで、しまったのか?』

 枯れるほど流したはずの涙が止まらない。

 それとともに、カルメの心臓から、皮膚から、全身から、涼しい青の光が溢れた。

 激しい感情の揺れによる魔力の暴走、それがカルメの身にも起きていたのだ。

 カルメは魔法の天才で、持っている魔力の総量も常人より遥かに多い。

 これは周知の事実であり、もちろん本人にもその自覚はあるのだが、そのカルメ本人でさえ知らない秘密がカルメには残されていた。

 それはカルメが普段利用している魔力が、本来カルメが持っている全魔力の内のほんの一部でしかない、ということだ。

 カルメは他者に本気で拒絶されたくないから、人を傷つけることを恐れている。

 そのため、カルメは無意識に、自身の中に秘められた強大な魔力が暴走して周囲を激しく傷つけることを恐れ、自身の魔力を抑圧しながら過ごしてきた。

 どんなに苦しくても、怒りを感じても、これまで魔力を暴走させることは無かったのだが、大切な恋人を理不尽に失う苦しみが、怒りが、悲しみが、生まれて初めてカルメを暴走まで追い込んだ。

 溢れた魔力はあまりに激しく、けれど決してログを傷つけたくなくて、ただひたすらに行き場を失って発光を続ける。

 次々にカルメの周りに細かい水の粒が浮かんでは凍る。

 まるで雪でも降っているようで、悲劇を彩るにはあまりにも美しい。

『やめてくれよ。ログが、ログが冷えてしまう。とどめを刺したくないんだよ。私が殺すなんて、そんな辛いことがあってたまるかよ。やめてくれ、やめてくれったら』

 まだほんのわずかに息があるログの体はすっかり熱を失って、これ以上体温が下がれば本当に死んでしまいそうだ。

 とどめを刺したくない、どうにか生きていてほしい、そのためなら自分の命だってくれてやってもいい、そう思うのに、カルメが感情を強くすればするほど魔力は暴力的になる。

 ハラハラと降っていた雪は、吹雪になった。

「嫌だよ、ログ……」

 ギュウッとログの胸元の衣服を掴んだ。

 力の入りすぎたカルメの手はどこまでも青白く、もはや死人だ。

 温かい涙も凍ってしまう吹雪の中で、冷えていくログをどうにかして温めよう、延命しようとその体に縋りつく。

 コトン、堅い音がしてカルメの髪を飾る「カルメ」に魔力を纏った氷の粒がぶつかった。

 「カルメ」が、優しい青で発光する。

『カルメ……カルメ、聞こえる? 私に、触れて』

 優しい声が聞こえる。

 カルメは無言で「カルメ」の花に触れた。

『魔力を、頂戴』

 無言で溢れる魔力を流し込んだ。

 もはやそこに思考は無く、請われるままに魔力を与えた。

 そうして、ログを冷やす憎たらしい魔力を全て「カルメ」に吸い取らせる。

 一気に膨大な魔力を詰め込まれた「カルメ」は閃光を放って砕けた。

 砕け散った「カルメ」は青い光の粒子となって宙を舞う。

『カルメ、顔を上げて』

 カルメは声の促すままに、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔を上げた。

 目の前にいたのは、美しい化け物だった。

 ソレは人の形をしているが、人ではないことが一目で理解できた。

 なめらかで柔らかい肌は木製で、長い髪の代わりに薄緑や濃い緑の大小さまざまな蔦が頭部から生えている。

 よく見れば雑草や花、木の枝のようなものも生えていて、やたらとゴチャゴチャしていた。

 化け物が身に着けるドレスは無数の花の集合体で、バラバラであるはずのそれには不思議な一体感があって美しい。

 足元は花に埋もれて見えないが、もしかすると足なんてものは無く直接大地と繋がっているのかもしれない。

 そんな化け物の胸の中心には大きな「カルメ」の花が埋め込まれている。

「何なんだよ、お前。私にはお前に構っている時間なんてないんだ。早く、早くログを助けなくちゃいけないんだよ」

 茫然としながらも、カルメはログを守ろうとその体を抱き寄せる。

 まだ弱々しく動いている心臓の音にほんの少し安堵しながら、化け物を睨みつけた。

 けれど化け物は優しく木の腕を伸ばすと、カルメの片手をとってログの胸に置いた。

『そうね、貴方が助けるの。貴方にはその力がある』

 パクパクと口を動かすが、その声は化け物の口からは発せられていない。

 直接、脳へ響く音にカルメは一瞬だけ気を失いかけたが、すぐに立て直して化け物を睨んだ。

「ふざけんな! 私にそんな力はねえんだよ。できるなら、できるならとっくにやってるんだよ!!」

 カルメは治療魔法を扱えるがその適性は著しく低く、また、薬系の治療魔法の適性は持っていなかった。

 ログの方は外傷に対して極めて強い効果を発揮する治療魔法が使えたが、カルメと同様に薬系の治療魔法の適性は持たなかったし、あったとしても瀕死の状態で魔法を使えるわけがない。

 改めて絶望を突きつけられ、涙や怒りとともに再び魔力が溢れた。

 魔力は暴力的に吹雪いて化け物を襲う。

 けれど、化け物は決して動じなかった。

『いいえ、カルメ。貴方にはログを助けられるだけの力がある。貴方の母親は魔法で病を治せたでしょう?』

「でも、魔法は必ず遺伝するわけじゃ……いや、分かった。本当に私には力があるんだな?」

 カルメは真直ぐに化け物を見つめた。

 蔦や花で埋もれて化け物の瞳は見られないが、それでもカルメは化け物が自分と同じだけの力で自分を見返してきた気がした。

「なら、ゴチャゴチャ言うのは無しだ。教えてくれ。どうしたらログを救える?」

 化け物は嬉しそうに微笑むと、蔦を伸ばしてそっとログを持ち上げた。

 そしてログの下に自身のドレスを伸ばし、その上にログを寝かせた。

 少しでもログを傷つけないように、気遣っているのが見てとれる。

『こいつは信頼できる』

 確信したカルメは化け物が指示する前にログの胸元に両手を当てて、涼やかな青の光を流し始めた。

『そう、それでいいわ、カルメ。そのまま治療魔法を使い続けて。よく祈るの。願って。ログの心臓を蝕む病を温めて浄化するのをイメージして』

 化け物はその蔦で、カルメとログをクルクルと取り囲む。

『溢れて過剰になった氷の魔力からあなたたち二人を守ってあげる。だからカルメ、貴方はありったけの魔力を、願いをログに込め続けて!』

 力を込めて響かせる声に脳を揺さぶられながらも、カルメは懸命に魔力を込め続けた。

 頭がクラクラして、鼻血が出ている気がする。

『ログ、ログ、生きてくれよ、ログ!』

 魔力を開放しすぎて頭がぼやけ始めても、カルメはログに魔力を込め続ける。

 力強く、けれどもログの体を壊さぬように気遣って、カルメは治療魔法を使い続けた。

 やがて、ログの体が少しずつ温まるのを感じる。

「ログ!」

『待って、カルメ。まだ終わっていない! 油断しないで』

 気が緩みそうになるカルメを叱ると、化け物は二人を囲む蔦を分厚くした。

『でも、そろそろ魔力が』

 どんなにカルメの魔力が多いとはいえ、本来適性の低い治療魔法を意志の力で覚醒させ、その覚醒した力を気合で無理やり使っている、というのが現状だ。

 正直な話、カルメはとっくに限界を超えてしまっていた。

 それでもカルメが魔法を使い続けるのは、決してログを失いたくないと強く願っているからだ。

 カルメが弱気になった時、ポウ、とローブのポケットが光った。

 中には、以前ログが作ってくれたものの使い道が無くてポケットに入れっぱなしになっていた包帯があった。

「これそのものが魔道具みたいになっているんです。この魔法陣には治療魔法の使用を手伝う効果があって、使い手の適性が低かったり、込める魔力の量が少なかったりしても、本来得られる以上の強い効果が出るようになるんです」

 そう言って笑ったログの言葉を思い出す。

『ログ、力を貸してくれ!』

 カルメは包帯を掴むと雑に腕へ巻き付けて、さらに魔法を展開させた。

 すると腕に巻き付いた包帯は、真ん中の魔法陣を起点に真っ青に染まる。

 同時に、カルメの両手から溢れる魔力は今まで以上の光を放った。

 鋭い閃光が溢れて、辺りが青白く染まる。

 辺りを包み込んだ光が弱まると、カルメの両手の下には温かなログの胸があった。

 その胸はハッキリと上下に動いていて、ログがきちんと呼吸していることを示していた。

「ログ」

 カルメはそっとログの胸元に耳を近づける。

 ドクン、ドクンと力強い鼓動が聞こえた。

「カルメ?」

 寝ぼけたようなログの声が、カルメの鼓膜を震わせる。

「ログ!」

 カルメはログの名前を必死で呼びながら、ログの胸元の衣服を破ってその下の皮膚を見つめた。

 そこには染み一つない綺麗な白い肌がある。

「わあ! 何をしているんですか、カルメさん!」

 突然の奇行にログは目を丸くしたが、カルメの、

「よかった、黒が無くなっている」

 という言葉を聞いて、柔らかく微笑んだ。

 カルメは、ログの心臓から黒い病の魔法が消え去っていることを、確認したかったのだ。

 完全に病が消えたことを確認して、カルメはへたり込んだ。

「よかった……」

 一生分の涙を流してもなお、カルメの瞳は濡れ続ける。

 ログはそっと、カルメの頬に手を伸ばした。

「そうですよ。俺、カルメさんのおかげで助かったみたいです。もうどこも黒くないし、寒くもありません。もう、大丈夫です」

 ペタンと座り込んで動けないカルメを、ログはギュウッと抱き締めた。

 抱き締められてもなお、カルメは涙を止められずに泣きじゃくった。

 温かなその涙は、嬉し涙だ。

 化け物は二人を見てほっと息を吐くと、伸ばしていた蔦をシュルシュルと回収して、静かに地面に潜った。

 二人の周りからすっかり蔦が消え去ると、辺りには異様に美しい光景が広がっていた。

 太陽が光を降り注ぐ中、安堵の涙を流し続けるカルメの魔力が、二人を祝福するかのように柔らかな雪を降らせている。

 それが地面に辿り着くと、今度は雪が植物の種のようになって芽吹き、氷の蔦を伸ばして花をつけた。

 それがいくつも、いくつも生えてくる。

 温かな日差しの中で咲く氷の花々は、どうしようもなく美しくて幻想的だった。

 けれど二人はそんな美しい光景も見ずに抱きしめ合って、ただひたすらに安堵の涙を流し続けた。

 何よりも美しいものが、そこにはあった。

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