謎の女性の絵

@Otarun

謎の女性の絵

国木田俊雄は、画家であった。今年で四十六歳で、家族は六人家族。俊雄は、毎週土曜は自宅の自分の部屋で作業をする事が多い。そして、その日も自分の部屋で作業をしていた。俊雄は急に眠気に襲われた。そのまま机に頭をつけて眠ってしまった。

ふと、目が覚めた。後ろに気配を感じて振り返ると、誰かが部屋の扉の外で立っている。俊雄は、メガネを外していたためそれが誰かははっきり見えないが、俊雄はそのぼやけた視界で見える誰かの形が、長女だと思った。俊雄は、メガネをしないまま机に転がっている鉛筆とスケッチブックを手に取ると、

「ちょっとそこで立っていてくれないか」

と長女に言うと描き始めた。はっきりしない視界の中、描き進めていく途中で、俊雄は寒気を感じて怖くなった。目の前にいるのは、本当に長女だろうか?ぼやけた視界でずっと、こっちを向いて立っているその女性は長女では無い気がしてきたのだ。それどころか、人間にしては床に体重をかけていなくて、軽く浮いてるように見える。

まさか、幽霊?

そう思ったとたん、俊雄はメガネをかける勇気もなく部屋の窓から外へと飛び出した。

幸い、部屋は一階だった。

          終

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