5月初旬
卒業後、“告白できなかったのはそれくらいの気持ちしかなかったってこと”だなんていっちょ前に理由をこじつけて彼を忘れた───つもりでいた。
いっちょ前に理由をこじつけた割には一切の連絡が来ないから少し寂しくなった。いろんな友人の新生活の様子を聞いてるのに彼だけ聞けてないままだった。
〈元気してる?高校生活楽しんでます?〉
しばらく返信はこないだろうと思ってスマホを伏せようとした矢先、画面が光った。
驚いて見ると彼からだった。前はあんなに待っても半日後にしか返信来ないことの方が多かった。なんでこういう時だけ、と好きにならないために悪態をつくがそれでも嬉しいものは嬉しい。
〈めっちゃ元気!部活三昧でしんどいけどいっぱいできるし楽しい~〉
〈そっちの話も聞きたい。気になる。〉
そんなの送ってこられたら勘違いするじゃん。なにしてくれてんのほんと。
いや、あいつは人懐っこいから。そういう奴だから。
天邪鬼な私の心の中は怒ったり喜んだり疑ったり喜んだり、多忙を極めていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます