Day8 こもれび

 青々とした芝生の上に光の地図が描かれていた。

 丸みを帯びた可愛らしい形の島々が散りばめられた地図だ。

 風が吹くたびに地殻変動が起こって島の形も位置も変化する。

 懐かしさがふと胸に湧き上がった。

 子供の頃は、幼馴染の親友と一緒によくこうして地面の上の木漏れ日を眺め、見知らぬ世界の地形を夢想しながら空想旅行を楽しんだものだった。

 それが今では本当に旅の空の下で自由気ままな暮らしを楽しんでいる。

「未知の世界を見てみたい」

 その夢が叶った結果の旅人と呼ばれる生き方。

 でも本当にこれでいいのだろうか?

 気がつけばずっと同じホテルに滞在している。

 そもそも自分は何を目的にして旅に出たのだっけ?

 目的地はどこだろう?

 風が吹く。木漏れ日が揺れる。

 旅人の心も、はっきりとした形にならない不安でザワザワと揺れていた。

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