第21話 その後

取り敢えず問題は解決に導かれた様に感じるといえば感じる。

俺はそう考えながら俺は長谷川を見る。

長谷川は自嘲する様な笑みを浮かべながらも納得する様な感じを見せていた。

そんな姿に俺は笑みを浮かべる。

でそれからというもの。


「とは言え先輩。やり過ぎです」

「何がだ?」

「長谷川を許す行為なんてとんでも無いですよ。.....でも先輩が決めたのであればもう否定はしませんけど。でも本当に反省するんですかね?あの人」

「まあ反省するかどうかは長谷川次第だ。アイツがどう行動をするかだな。本当に、と言われたら何とも言えないが」


そんな言葉を放ちながら俺は美兎を見る。

美兎は、むー、という感じを見せていたがやがて溜息を吐く。

それから俺を見てくる。

全くねぇ、という感じで、であるが。

俺はその心の言葉を直に感じながら苦笑いを浮かべる。


「私は許せないですよ。長谷川の事は。だから寛大な先輩に呆れますけど.....でもそこら辺は本当に先輩らしいですね」

「ああ」

「まあだから.....何というか好きですよ」

「それとこれと話が別だろ。.....有難いけどな」

「話が別ですかね?私は一緒だと思いますけど?」


ニコニコしながら美兎は話す。

俺はそんな姿に溜息を吐きながら美兎を見る。

因みに今は放課後だが俺達は一緒に歩いて帰っていた。

あれから長谷川は教室に戻って行ったのだが。

その後がどうなったかは知らない。


「長谷川にはしっかり反省してもらいたいです。.....それは強く望みます」

「そうだな。まあ.....それは確かに」


そんな感じで会話をしながら歩いて帰っていると横を高級外車が通った。

それからその高級外車が止まる。

何事か、と思いながら高級外車を見ていると、あら、と声がした。

そして長谷川がウインドウを開ける。


「皆さんこんにちは」

「何?嫌味かな?長谷川」

「嫌味じゃ無いです。.....何というか今日の事をお礼を言いにきました」

「お前から礼を言われる筋合いはないぞ。.....反省だけしろ」

「反省してます。.....でもその中でお礼は言わないとと思いました」


仮にも助けてくれましたから、と穏やかな顔で俺を見てくる長谷川。

俺は、いや。助けたというよりかは此方側が困るから手助けしただけだ。お前の為と思ってやってない、と言葉を発したのだが。

長谷川は、まあそんな事言わずに、と向いてくる。


「.....お礼がしたいんですけど」

「要らない。俺達の最大の報酬はお前が反省する事。だから重々に反省しろ」

「.....そうですか」


すると少しだけ複雑な顔をしているそんな長谷川に釘を刺す様に美兎が切り出した。

真剣な顔をしながら、である。

あくまで調子に乗らないで下さい、という感じで。

俺は目線だけ動かして、?、を浮かべる。


「私は貴方を許した覚えはないです。.....そんなお礼とか言っている場合でもないでしょう。先輩の言う通りです。反省して下さい」

「.....そうですね。あなた方の言う通りです。ここは反省してから出直します」

「そうですね。そうして下さい」

「調子に乗っていました。あなた方に信じてもらえる様に出直します」


それから長谷川は頭を一瞥の様に下げてから車を動かし去って行く。

そして美兎を見る。

美兎は複雑な顔をしながら最後まで警戒していた。


俺はその顔を見ながら、美兎。ソフトクリームでも食べるか、と切り出す。

美兎は、そうですね、と笑みを浮かべた。

何とか気力は持ち直した様だが。

そう感じ取りながら俺は歩き出す。


「美兎はどんなソフトクリームが好きだ?」

「私はシンプルにノーマルですね」

「ああ。そうなんだな」

「.....先輩」


俺を見てくる美兎。

それから切り出してきた。

都合が良過ぎですよ、と言いながら。

その言葉に、そうだな、と向く。

そして、長谷川はまだ信頼出来ません、と話してくる美兎。


「私は.....先輩が許してもやはり先程の事があったので許せないですね。半分ぐらいは」

「そうだな」

「だから先輩が許しても私は警戒するつもりです」

「そうだな。.....それぐらいあっても良いかもしれない。俺も」

「何故先輩はあの女を信じれるんですか?」

「特段信じている訳じゃない。.....だけど賭けに出ようかって思ったんだ」


賭けですか?、と言葉を発して向いてくる美兎。

それから賭けって何を賭けているんですか?、と聞いてくる。

俺は、そうだな。何を賭けているかって言われたら答えるのが難しい。だけどアイツはゆかなとは違う何かを感じた、と説明する。

だがその言葉に眉を顰める美兎。


「先輩が言うなら間違い無いと思いますけど.....でもそれは当てにならない様な気がします。あの女は仮にも牡馬の仲間ですから」

「.....そうだな。だから俺も最後まで信頼した訳じゃない。賭けには出るって言ったけどな。全てを信頼は出来ないから。徐々に行動を観察しようって思ってな」


美兎は、ですか、と俺を見てくる。

俺はその姿に、ああ、と返事をする。

すると美兎は顎に手を添える。

そして、まあ先輩がそこまで言うなら、という感じで渋々納得してくれた。

俺はその姿に、有難うな、と話した。


「.....でも先輩。私は本当に心底から鬼かもしれませんが。まだまだ警戒します。それだけは分かって下さい」

「分かる。そう思いたいのはな。だから納得しているから」


そして俺達はソフトクリーム屋にやって来る。

それからチョコソフトクリームとノーマルを注文する。

そうしてから俺達は椅子に腰掛けた。

美味しいソフトクリームだな、と思う。

新しい店らしいが、だ。

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貴方だけは絶対に許さないですからね。地獄の底まで追い掛けます。〜彼女がNTRたら後輩が暴走した〜 アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou

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