第20話 嘘吐き
何をしているのか分からないが。
長谷川が俺を万引きをしたと嘘証拠も持って学校に通報した。
一体何がしたいのか分からない。
俺は思いながら長谷川に直接文句を言う為に長谷川の教室に向かう。
すると。
「.....?」
長谷川が教室に居る。
だけど違和感を感じた。
俺は、?、を浮かべながらその姿を見る。
すると長谷川のクラスの者達が長谷川を睨んでいるのに気が付いた。
何だこの光景は?、と思いながらもすっとぼけた様に横に居る男子。
クラスメイトに聞く。
「.....すまない。.....長谷川は居るか」
「ああ。あそこに居るが。お嬢様はな」
「なあ。何かあったのか」
するとその男子生徒は、いや。いつもの通りだ。アイツ気に入らないんだよ。態度もそうだけどな、と答える。
俺はその言葉に、!、と思う。
それから、態度ってのはつまり接し方って事か、と聞く。
「そうだな。だからクラスから浮いてるぞ。アイツなら」
「.....クラスから浮いているってのはどれぐらい浮いているんだ」
「さあな。滅茶苦茶浮いているぞ」
「.....」
俺はその言葉に教室内に入る。
それから、長谷川、と声を掛けると俺に対してビクッとした。
そして睨む様に顔を上げてくる。
そうしてから困惑しながらの複雑な顔をしていた。
何だこりゃ。
「お前.....何だその顔」
「.....何。.....何か文句でもありますか」
「いや。文句は無いけどさ。何でそんな顔をしている。お前は何がしたかったんだ」
「何でも良いでしょう。別に」
言いながら長谷川は、何ですか。用事は、と聞いてくる。
ああ。その件な、と俺は話した。
それから、お前俺が万引きをしたって偽装したろ、と言葉を発する。
すると長谷川は、偽装じゃ無いでしょう、と言ってくる。
何を言っているんだコイツは。
「.....そのコンビニに俺は行ってない。お前は何から何まで嘘つきだな」
「私は嘘は吐いていません」
「嘘ばかりだ」
そう会話をしているとそのクラスの1人が、嘘だね、と言葉を発した。
だからクラスメイトも嫌っている、とも。
俺はその言葉に、!、と思いながらその男子生徒を見る。
嘘ばかり吐くからこのクラスでも浮いている、とも。
「.....私は.....」
「.....」
「何?何か言いたい事でもある?」
「.....そんなつもりじゃ」
だがクラスメイト達は、嘘ばっかり吐くから嫌い、と連呼した。
俺は予想外の支援に顎に手を添える。
何が起こっている?、と思いながら.....だが。
コイツは嘘つきなのか?
「.....」
長谷川は溜息を吐いて無視する様に俺に向いてくる。
それから、私は真実を述べました。だから.....、と言うが。
その声は震えている。
嘘っぱちの様な声である。
俺は、良い加減にしろ、と声を荒げる。
「.....お前が金で釣ったんだろ。全て。防犯カメラも偽造したな?」
「そんな事してないです」
「埒があかないな。俺はお前を心底信用してないから」
「.....」
長谷川は歩いて行ってからそのままドアから何処かに行こうとする。
俺はそれを、オイ、と引き留める。
すると長谷川は涙を流してからその場から去った。
「.....何だってんだ?」
俺は訳も分からずそのまま長谷川を追う。
それから長谷川は屋上に行った。
それを追い掛ける。
そして長谷川は屋上のドアを開ける。
「.....なあオイ。嘘はやめてくれ。傍迷惑だ」
「嘘を吐いているつもりは無いです」
「あるって。.....お前が嘘ばかり吐くから全てが嘘まみれだよ」
「.....私は.....お金があります。だから嘘は吐いて無いです」
遂に訳の分からない事を言い出した。
俺は困惑しながら、何だそれは、と切り出す。
すると長谷川は、私はお金しか召使いしか貰えなかった。貴方達は良いですよ。.....妬ましいです。とても、と切り出す。
「.....待て。それはどういう意味だ」
「何だか見ていると腹が立ってきましたから。だからゆかなに協力していました。実を言うと私はゆかなにもムカついていましたが」
「何だそりゃ意味が.....」
「私は貴方が好きだったんです」
まさかの言葉に俺は、はい?、と目をパチクリする。
それから長谷川は、私は貴方に興味がありました。ゆかなから言葉を受けた時に。.....だから私は貴方達の関係が妬ましいって思っていました。ゆかなが捕まり。途中から私のやっている事が訳が分からなくなりました。だから行き着いたのが。.....貴方達の関係をぶっ壊して貴方を私のものにする、という事でした、と切り出してくる。
「じゃあ何か。お前は俺が好きだったのか」
「そうですね。.....それで私は貴方を美兎さんから奪おうとしました」
「途中から訳が分からなくなっていたのか」
「そうですね。.....私は何をしているんだろうって思いましたけど。.....後戻り出来ないなって思いまして」
それから俺を見てくる長谷川。
俺はその姿を見ながら盛大に溜息を吐く。
そして長谷川を見る。
もう良い加減に嘘を吐くのをやめろ、と言いながら。
「.....クラスメイトを大切にしろ。.....お前はまだ引き返せる事ができる」
「私はもう引き返せません。貴方達を壊します」
「あのな。もう目的が無いんだろ。俺達の事を倒す目的」
「訳が分からなくなったので無いですけど」
無いなら止めてくれこういうの、と告げる俺。
すると長谷川は、こうしないと生きられませんから、と言葉を発する。
俺はその言葉に、こうする事がお前なのか?、と聞く。
長谷川は、はい、と答えた。
「お金があっても。私は.....友情が欲しかったです」
「.....なら俺達が友人になってやろうか」
「.....え?」
「お前が二度と馬鹿な事をしない様に教育してやるよ。.....だからもう馬鹿な事をするな」
そして俺は長谷川を見る。
長谷川は心底驚きながら俺を見る。
しかし嘘吐きですから、と言葉を発しながら。
その言葉に、確かにな、と答える。
「.....でも俺はそれ以外にも大切な事があるんじゃ無いかって思うぞ」
「.....?」
「お前は嘘吐きだが。.....戻れる筈だ。ゆかなと違う」
「.....」
長谷川は、そうですかね、と聞いてくる。
まあその。
長山がどう納得するか、だが。
俺は考えながら、取り敢えずお前を矯正する。だから覚悟しとけ、と言った。
「.....貴方は変な人ですね」
そんな事を言いながら長谷川は自嘲する様にした。
そして長谷川の矯正として。
先ず謝らせる事をしたりした。
当然俺の無実も証明する為に、であるが。
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