第11話 danger

この世界の事を信じている。

だからこそ裏切りはかなりの痛手となる。

考えながら俺は駆け出して美兎を捕まえた。

それから、美兎。落ち着け、と言い聞かせる。


「これ以上はかなり危険すぎる。.....アイツらから手を引こう」

「.....それじゃあ先輩を助けれないです」

「.....俺としてはもう充分に助けてもらっている。.....だからこそ今は手を引くべきだ。.....このままではお前の幸せが全て粉砕される」

「分かりますけど.....」

「俺としてはお前の幸せが粉砕されるのは嫌だ」


言いながら俺は美兎を抱きしめる。

それから頭を撫でた。

そして美兎を強く抱きしめる。

先輩.....私の居場所って戻りますかね、と聞いてくる。

俺は、その事だがゆかなと話す。.....俺は.....アイツと話さないと何も変わらないと思っている、と話した。


「.....牡馬先輩は聞きますかね?.....私達の話」

「聞かせる。.....俺は絶対にアイツと交渉する」

「.....そうですね.....分かりました。信じています」


それから俺は抱きしめるのを止めてから離れる。

そして美兎の頭を撫でてやった。

すると赤くなりながら、先輩。私は貴方に救われてばかりですね、と笑みを浮かべてから俺を見てくる。

俺はその姿を見ながら、そうだな、とニコッとした。

そうしていると.....電話が。


「.....?.....凛子?」


凛子から電話が掛かってきた。

俺は、?、を浮かべながら、もしもし?どうしたんだ、と話す。

すると凛子は、もしもし。お兄?.....ゆかなさんのアカウントを開いたんだけど、と話してくる。

そうか、と言いながら俺は絶句した。

何!?


「お前、ちょっ!?何しているの!?」

『黙って聞いて。.....ゆかなさんのやっている証拠が欲しいから逆アクセスで開いた。そしたら鍵の掛かっている場所があった。.....それもこじ開けたけど』

「は、犯罪だ.....」

『お兄。そんな事を言っている場合じゃないでしょ。.....風の噂で聞いたけど高校でヤバい事になっているんじゃないの。だったらなりふり構ってられない』

「だからってお前。.....何処でそんなハッキングに似たスキルを身につけたんだ」


私のこの力は元からの才能。.....頭が良い事知っているでしょ。.....私の、と言ってくる凛子。

俺はその言葉にゾクゾクしながら話を聞く。

それから凛子は、ゆかなさんの証拠の写真は消されている。.....だけどそれを復元したから今から送信する、と言ってくる。


「.....マジかよ。どうしたら良いんだ」

『お兄の好きな様に使ったら良いけど。.....全校生徒に知られる様にしたい。.....高校の先生の訴える為の相談用アドレスとか無いの』

「担任のアドレスなら知っているが」

『.....ならそこに添付して送信してあげて』


お兄達が巻き込まれているのはそのうちヤバい事になるから、と真剣な感じの言葉で話してくる。

無罪なのにこれは酷いから、と言いながら。

俺はその言葉に美兎を見る。


「.....美兎。聞いているか?.....それでも良いか?」

「凛子さんってそんなに強いんですね。.....分かりました。.....先輩に凛子さんに任せます」

「.....だそうだ。凛子。.....取り敢えず送ってくれ」

『うん。じゃあ送るね。取り敢えず後は任せるよ』


それから凛子に写真を送ってもらう。

その写真には.....ゆかなが浮気している写真とかあった。

中には恐ろしいが。

男とセックスしている写真があった。

クソめ。


「ここまでするなんて.....」

「正直、呪われている。最悪の気分だな」

「私の大切な先輩なのに。絶対に許せない」

「.....だな」


困ったな、と思うし。

最低だ、とも心底思う。

考えながら居ると、お兄。とにかく急いだ方が良いと思う。このままじゃ噂の制御が出来なくなるし、と凛子が話した。

俺はその言葉に、そうだな、と返事をする。


「分かった。今から送信する。もしくは提出する」

『それからお兄。私が学校用のSNSサーバーに接続.....って言っても写真が送信出来ないシステムだったね。なら別の方法を考えようかな』

「そこら辺は掛け合ってみるよ。有難う」

『SNSはデカすぎるしね。ってかお兄。本当に大丈夫?』

「全てお前に任せる訳にはいかない。だから大丈夫だ」


取り敢えず俺はどうにかして攻撃しないと。

ゆかなにこれ以上好き勝手に、と思っていると。

私がどうしたの?、と声がした。

ビクッとしてから背後を見ると.....ゆかながニコッとして立っていた.....。

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