第10話 外堀が破壊される時

義妹であり姉妹の丹生と凛子。

それぞれ俺が復讐する事について考えを伝えてきた。

ゆかなに対する復讐だ。


その内容は.....丹生が反発。

そして凛子は進んで復讐を応援するという感じだ。

俺はその言葉達に考え込む。


果たしてどうしたら良いのか、という感じで、であるが。

帰ってからずっと考えていた。

それから夜になる。

そして翌日になったのであるが。



「先輩」

「.....美兎?どうしたんだ?」

「いえいえ。元気かなって思いまして」


朝になってから美兎が俺の家にやって来る。

それから笑顔になる美兎。

俺はその姿に苦笑する。

そして、じゃあ行くか、と言い出す。


「.....先輩。.....復讐をする為にあれこれ考えました」

「.....そうか」

「でもその前に恐らくですが5人倒さないといけません」

「.....5人ってのは例の?」

「そういう事ですね。.....私はあの障害が減らないと駄目だって思っています」


美兎は眉を顰めながらその様に話す。

俺はその姿を見ながら顎に手を添える。

そして、美兎.....復讐は俺はすべきなのかな、と話す。

美兎はその言葉に、!?、と俺を見てくる。


「何でそんな事を言うんですか?.....絶対に復讐しますよ。.....私は絶対に許せないです」

「.....俺な。.....アイツ。何というか丹生に言われたんだ。.....復讐をするのが本当に全てなの?ってな」

「.....そうなんですね」

「だから俺は復讐するのに迷っている」


分かります。その気持ち。でも先輩。ゆかな先輩が自由にやっていてそれで良いんですか?、と俺に複雑な顔で聞いてくる。

俺はその姿を見ながら、そうだな.....、と複雑な感情を見せる。

すると、賛成意見は多数なんですよね?、とも言ってくる。


「.....そうだな。.....賛成は多い」

「じゃあ復讐しましょう。.....私は.....」


そこまで言った所でいきなり声がした。

それは女子の声。

聞き覚えのある声だった。

顔を向けると.....そこにボーイッシュな感じの女子が居た。

スパッツとか履いている様な美少女。


「こんちは」

「.....お前.....確か5人のうちの1人だったな」

「そだね。.....あ。覚えていたんだね。あはは」

「お前の名前は」

「私?私は柚子。十島柚子(とおしまゆず)だよ。2年生」


美兎が静かな怒りを見せる。

すると柚子と言うソイツは俺を真っ直ぐに見てくる。

そしてニヤニヤし始めた。

勘違いしてもらったら困るけど私達だって一生懸命しているんだ、と笑顔になる。


「だから今この場で潰されてもらって良いかな」

「.....どういう意味だ」

「君達がSNSで攻撃するなら私達も容赦はしない。.....だから私は私達なりに攻撃させてもらうって意味かな」


俺達は眉を顰めながら柚子を見る。

すると柚子は、じゃあそれだけ、と言いながら手を振ってから去って行った。

俺達は顔を見合わせる。

それから登校してみるのだが.....。



「悪い噂が私の予想以上に広まっています。噂が上塗りされた」

「.....やはりか」

「.....ただまだ噂程度なので確定ではないですからまだ勝ち目はあるかと」

「そうか.....でもヤバいだろ」


ヤバいと言えばヤバいですね、と俺を見てくる美兎。

今の現状だが俺達に対してみんながヒソヒソ話をしている。

このままではマズイと思う。

何がマズイかといえばこのまま先生達に広まるとなると、だ。

いったい何をしてくるかも分からない。


「正直ここまでコソコソされると不気味です」

「不気味とは思えるな。.....確かに」

「.....どういう復讐をしてくるか分かりません。だからこそ.....気を付けましょう」


美兎はそう言いながら俺を見てくる。

そして話をしていると。

なあ、と声がした。

顔を上げるとニヤニヤした男子生徒が。

それから美兎を見る。


「佐々木ってビッチなの?」

「.....?」

「簡単に言ったらやらせてくれるって話だけど」

「.....は?どういう意味だ」


いやいや噂の中で広まっているからさ、と笑顔で話をしてくる全員。

俺はその言葉に、ビッチじゃない、と言うが。

うわキモー、とか女子も男子にも言われる。

美兎は複雑な思いを抱きながらな感じで落ち込む。

盛大に溜息を吐く。


「お前ら。.....美兎はそんな奴じゃ無いんだが」

「そうなのか?でもビッチって噂だけど?」

「そうなんだよねー」

「.....」


これは参ったな。

何を噂されているのか分からないが。

だけど取り敢えず愉快な感じではない。


思いながら俺は思いっきり不愉快な感じを見せる。

デリカシーが無さすぎる。

所詮人間ってこんなものかな、とは思うが。


「おおう。なあなあ。マジに怒るなって」

「噂程度だよな?なぁ?」

「そうそう」


言いながらみんな爆笑する。

それに対して美兎はショックを受けたのか駆け出す。

俺はその様子に、クソッタレ、と思いながら駆け出した美兎を追う。


不愉快すぎるんだが!!!!!

思いながら俺は怒りを感じながら駆け出して行った。

何か.....どういう対処が良いのか。

全く分からないが今はとにかく美兎を追わねば。

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