23
録画画像がプライベート動画としてアップされた。
しおみさんがボストンで演奏している。
いつもの激しい演奏ではなくオーソドックスな演奏だ。
ただところどころにフリーキーなフレーズが入る。
しおみさんにしてはだいぶ抑えた真面目な演奏だった。
どうって聞いてきた。
だいぶ抑えているね。と返事した。
一緒にやった人たちがそこまでフリーな人たちじゃないから。ってことだった。
ケースバイケースってことなんだろう。
曲はスタンダードとしおみさんがボストンで作ったというバラードの2曲だった。
バラードがすばらしい。
ピアノの人もすばらしかった。
しおみさんが恋しくなったら聴くよって通知した。
ありがとう。だったらもっといい演奏しなきゃって返ってきた。
夜ウィスキーを飲みながら見返していたらしおみさんが恋しくなってきた。
同じ空間で聴きたい。
かおりさんから通知が来た。
体調どうですか?
大丈夫です。もう明日から完全復帰です。と返事をした。
それだけだったけど、何か水を差された気がした。
かおりさんは身近に居るのにしおみさんは手の届かないところにいる。
という事実を押し付けられた気がする。
頭を振って余計なことを考えちゃダメだって自分に言い聞かせた。
動画を止めてふとんに横になった。
折角の限定ウィスキーが台無しになった。
会えないってこんなに苦しいものなんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます