22
結局かおりさんはあと2品も作り、自分もちょっと食べてお話をして、
あんまり長居しても悪いからと言って帰っていった。
一人残された僕はなんか呆然としていた。
課長はなんで住所を教えたんだろう。
そうか、課長は僕に彼女が居ることを知らない。
だからか。
僕のことを彼女なんて出来ない可哀そうな一人暮らしのドルヲタだと思っていて、
こんな時は誰か支えてあげないとと、かおりさんを派遣したつもりなのかもしれない。
善意と受け取るしかないか。
かおりさんも素直に善意として受け取ろう。
こんなおいしい料理を作ってくれた。
休みに日にわざわざ。
かおりさんには彼氏が居ないのだろうか。
とにかく余計なことを考えるのはよそう。
からだを万全にして週明けには元気に復帰できるようにしよう。
次の日にかおりさんから通知が来た。
ありがとう、無事社会復帰できそうです。と返事をした。
そのあとしおみさんと通話した。
ちゃんと食べてる?と言われてはっとした。
昨日のことは言えない。いや言うべきか。
また悩まされる。
食べてるよ。大丈夫だよ。って返す。
はっとしたのはばれてないだろう。
余計なことは考えない。
しおみさんとは楽しく会話が出来た。
向こうはこれから土曜の夜だ。
またライブに出るという。
頑張って、出来たら録画か録音して聞かせてと言った。
出来たらそうするね。
楽しみだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます