20
朝になったら幾分調子が良くなっていた。
峠は超えたようだ。
まだもうろうとしていたのでもう一日会社は休みにした。
少し熱はあったけど動けるようになったので病院に行った。
コロナを覚悟したけどただの風邪だった。
朝しおみさんが心配してくれてたから、病院から帰って風邪だったよって通知を入れたら即返事が来た。
コロナじゃなくて良かった。コロナだったら帰ろうかと思ってた。
しおみさんが帰ってきてもコロナは治らないよ。心配しないでって返事をした。
心配なのってすぐ返ってきた。
しおみさんの優しさがじわっと伝わってきて、ふとんのなかで泣いた。
イチローさんが心配して夜来てくれた。
コロナだったら逆に来れないからねと行ってレトルトのおかゆとかを持ってきてくれた。
また泣きそうになった。
次の日はどうにか熱も下がって普通に行動出来るようになっていた。
しおみさんとの通話も楽しくできた。
土曜日だったから通話のあとまた寝た。
昼頃ピンポンという音で目が覚めた。
玄関ドアをあけるとかおりさんが居た。
「ごめんなさい心配で来ちゃいました。」
そう言ってエコバックいっぱいの具材を持ち上げて見せた。
「料理得意だから。」
門前払いするわけにもいかず部屋に通すしかなかった。
本当はやんわりと断らなければいけないはずだ。
「まだそんなに食欲ないけど」
「スープ系だったらいけるでしょ」
かおりさんとはもうだいぶ打ち解けて話が出来るようになっているから、
友達同士のような会話になる。
だからかおりさんも自然体で話して、その流れで躊躇することなく靴を脱ぎ台所に向かった。
僕はその後ろ姿をぼやっと眺めてた。
しおみさん以外の女性が部屋に入ってきてしまった。
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