第4話 成功の予兆

「来たわー。」ニコニコ顔の淀(よど)はラミネートを引き千切り本体を取り出した。

 「元々はお市の方が注文しとけって、事なのよね・・・。」

リビングソファーに座りながら徐に受話器を取り上げ、「もしもし貴方?水中花を観た泰一さんがパニックを起こして自分の部屋に閉じ籠ったわ?どうしましょう・・・?」

「それでどうやって部屋に戻った?」水口高市の質問に訳が分からないまま答える淀は、私の方こそパニックを起こしそうよ。

 と、言いたかったが、ググッと堪えて電話を切った。

 高市も電話を切った後、「理論的には正解なんだけどなパニック障害を引き出すには・・・。」と呟く。

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