ハナと人魚姫のドレス

【宮廷裁縫師】ギルド

【宮廷裁縫師】の仕事

さて、私が【宮廷裁縫師】のコンペに合格してから、数日後......


パスカル「初めまして、私の名前はパスカル・クレーン。一応、【宮廷裁縫師】のギルドマスターをしています」


今現在の私は、ケイト王国の王都にある、【宮廷裁縫師】のギルドに来ていた。


花「は、初めまして!!牧野花と言います!!ど、どうぞ、よろしくお願いします!!」


ギルドマスターのパスカルさんに向け、そう言う私。

一方、その言葉を聞いたパスカルさんは


パスカル「うん、元気の良い挨拶ですね」


ニッコリと笑いながら、そう言った。


パスカル「それで?ここに来た気分はどうですか?」


私に向けて、優しく、そう話しかけるパスカルさん。


花「そ、そうですね.....何というか、意外な感じがします」

パスカル「意外な感じ?」

花「え、えと.....その、貴族から直接指名が来るのかと思っていました」


私がそう言うと、パスカルさんは、一瞬だけポカーンとした顔になった後、少しだけ微笑むと


パスカル「まぁ、確かに、宮廷という肩書きが付けば、そういうイメージが付いて当然ですね」


と言った。


ホッ..........優しそうなイケオジで良かった。


パスカル「我々【宮廷裁縫師】ギルドでは、貴族から来た依頼を仲介、斡旋するが仕事なんです」


......ハローワークかな?


花「それじゃあ、その依頼を私達が選ぶ......てことですか?」

パスカル「えぇ、そういう感じです」


何か、ラノベとかでよくあるギルドっぽい......


パスカル「あと、【宮廷裁縫師】ギルドでは、【宮廷裁縫師】の証明書も発行しています。ちなみに、こちらがハナさんの証明書です」


そう言った後、私に証明書.....もとい、【宮廷裁縫師】の身分証カードを渡すパスカルさん。


そのカードには、私の名前と四角い枠があり、カードを手渡されるのと同時に、四角い枠の中に、私の姿が映し出されるのだった。


花「わ、私の姿がカードに!?」

パスカル「このカードには、特殊な魔法が掛けられているんです。ですから、カードが正当な主人に手渡されれば、その枠に主人の顔が映し出されるのです」


いや魔法の力凄すぎでしょ!!


パスカル「ハナさん、あなたはこれで正式な【宮廷裁縫師】となりました。ですが、真の【宮廷裁縫師】になるためには、コツコツと依頼を完了していくしかありません」

花「は、はい!!」


私がそう言うと、パスカルさんはニッコリと笑った後


パスカル「では、これから頑張ってくださいね」


と言った。


それは、【宮廷裁縫師】としての人生が、今から始まろうとしていることを意味していた。

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