結果発表①
二次審査の日からしばらく経ち......いよいよコンペの結果が発表される時がやって来た。
なので、今現在の私は、二次審査が行われた場所に来ていた。
花「うぅ.....緊張するなぁ」
こういうのって、受験の合否発表並みにドキドキするなぁ。
アデーラ「あら?あなた.....来ていたのね」
花「アデーラさん!?」
アデーラ「そんなに驚くことかしら?」
私を見つめながら、そう言うアデーラさん。
花「ご、ごめんなさい.......」
アデーラ「別にいいわ。私、コンペに落ちるあなたのことなんて、眼中に無いから」
ムッ!!
花「何で結果が出てないのに、そんなことを言うんですか!!」
アデーラ「あなたが何を言おうと、私の勝ちは確定。それが事実よ」
花「ムムムム.......」
アデーラさん、よっぽど自信があるんだ.....
そう思っていた時、ステージ上に、審査員の人達が現れた。
審査員1「これより、審査の結果を発表します」
うぅ......緊張するなぁ。
そう思いながら、結果発表を待つ私。
審査員2「厳正なる審査の結果............今回は、ハナ・マキノさんの服を採用することになりました」
花「...........え」
今、何て言った?
私の服が?採用された?
てことは........私、【宮廷裁縫師】になっちゃった!?
審査員3「おめでとう。これで君も【宮廷裁縫師】の一人だ」
そう言うと、審査員の人は、私に向けて、手を差し出した。
花「あ、ありがとうございまひゅ!!」
審査員の人に向けて、そう言い返すのと同時に、私は握手をするのだった。
審査員1「君の作ったメイド服は、とても素晴らしかった。やはり、メイド服はゴテゴテに装飾するよりも、シンプルな物が一番ということを、改めて再確認させた貰ったよ」
審査員の人がそう言うと、その言葉が図星だったのか...........他の【裁縫師】の人達の顔は、引き攣っていた。
それは、アデーラさんも同じだったみたいで
アデーラ「何で.....何で私じゃないのよ!!」
自分が選ばれなかったことに対し、呆然としていた。
アデーラ「私の服の方が優れているのに..........どうして?どうしてなんですか!!」
結果が信じられないのか、そう言いながら、審査員の人に詰め寄るアデーラさん。
審査員1「アデーラ、君の服も良かった」
アデーラ「なら!!」
審査員1「だが......君は、君達は、メイドに対する配慮が無かった。それが君が選ばれなかった理由だ」
アデーラ「配慮......?」
自身が選ばれなかった理由を知り、ポカーンとするアデーラさん。
そんなアデーラさんを尻目に、審査員の人は、続け様にこう言った。
審査員1「まず、前提として..........今回のコンペの内容は何だ?」
アデーラ「メイド服のコンペ.......ですよね?」
審査員1「そうだ。ということは.....」
アデーラ「着るのは現役のメイドだから、着飾ったメイド服よりも、動きやすく、シンプルなメイド服の方が好まれる....ということですか?」
ハッとしたように、そう言うアデーラさん。
審査員2「もちろん、それもあるが..........彼女の勝因は、メイドのことを考えて、ある物を作ったことが大きい」
アデーラ「..........まさか!?」
審査員3「そう、ハナは......メイド用の下着を作っていたのだよ」
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