二次審査③

司会者「続いては、ハナ・マキノさんの制作した衣装です。それでは、どうぞ!!」


司会者の一言と共に、ステージ上に出る私達。


その瞬間、その場の雰囲気はまた一変した。


それもそのはずで..........何故なら、ナンシーとミランダが来ているメイド服が、普通のメイド服はちょっとどころではない程に、異質だったからだ。


二人が着ているメイド服、それは....白のシャツに、サスペンダー付きの紺色のフレアスカート、白の腰エプロンと、薔薇が刺繍された赤いネクタイ、そして.....メイド服には欠かせない、ヘッドドレスを身に付けた、一昔前のファミレス風のメイド服だ。


実のところ、一昔前のファミレスの制服は、ほんのりメイド服風味しているので、何となく、案の一つにしてたんだけど..........これはこれで、可愛いなぁ。


審査員1「これは.......!?」

審査員2「シンプルなデザインだが...........奥深いな」

審査員3「あの少女.....何者だ?」


私の作ったメイド服に対し、各々そう呟く審査員の人達。


...........私、異世界ではただのJKだったんだけどな。


だけど、それはアデーラさんも同じだったようで


アデーラ「な、何なのよ.....アレ」


私の作ったメイド服に対し、信じられないという顔をしながら、そう呟いていた。


やがて、ランウェイを歩き終え、私達の番が終わり、ステージの裏へと戻った私達は...........ひとまず、メイド服を披露できたことと、好印象だったことの喜びを分かち合った。


花「はぁ......とりあえず、何とかなって良かった〜」

ナンシー「ですね」

ミランダ「でも......問題は結果ですよね....」

花「落ちたら落ちたで、仕方ないよ」


そもそも、このコンペには一か八かで参加してたしね。


そんなこんなで、全ての審査が終わり..........審査員の人々は、私達に対して、労いの言葉をかけた後、二時審査はひとまず終わり、みんなそれぞれ帰路に着いていると


アデーラ「あなた....ふざけてるの?」

花「え?」


突然、アデーラさんに話しかけられた。


アデーラ「あんな服はメイド服じゃない、ただのよ」


まるで、私の作ったメイド服を否定するかのように、そう言うアデーラさん。


花「そこは個人差がありますし、仕方ないですよね」

アデーラ「なっ.....!?」


私の言葉を聞き、目を見開くアデーラさん。


........多分、私のことをケチョンケチョンに貶すつもりだったのかな?


アデーラ「とにかく!!今回のコンペの優勝者は私!!そのことを理解しなさい!!」


そう吐き捨てると、その場から逃げるように去って行ったアデーラさん。


花「アデーラさん...........」


..........とりあえず、二次審査は終わった。


後は、結果を待つまでだ。

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