二時審査②

【裁縫師】関連のコンペの二時審査は、いわゆる、ファッションショー形式らしい。


なので、必然的にモデルが必要になるのだが...........今回のコンペでは、夏服と冬服、二種類のメイド服を作らなければならないため、モデルを二人準備しなくちゃならなかったのだ。


んで、その二次審査の現場はというと


花「うわぁ...........どの服も素敵だなぁ」


審査員の目の前にて、綺麗なメイド服を着たモデルさん達が、ランウェイの上を歩いていた。


しかも、着ている衣装も【裁縫師】によって千差万別で........シスター服っぽいメイド服や、フリフリのフリルがたくさんあるメイド服、パフスリーブタイプの長袖が特徴のメイド服などなどがあった。


もちろん、シェーレグリーンを使ったメイド服もあったけどね。


しっかし......


花「予想はしてたけど、やっぱりシェーレグリーン率が高いなぁ」


いくら流行しているとはいえ、毒物のメイド服を着させるなんて..........モデルさん、大丈夫かな?


ナンシー「うぅ.....緊張してきた..........」

ミランダ「大丈夫、大丈夫、大丈夫.......」


ランウェイを歩くのが初めてだからか、それとも、こういうイベントに参加してなかったからか、ナンシーとミランダはめちゃくちゃ緊張していた。


うん、その気持ちはすごく分かるよ。


そう思っていたら、次はアデーラさんの番になった。


花「!?」


だけど......アデーラさんの作ったメイド服は、他のメイド服とは違い、赤をベースにした情熱的なデザインで、袖はパフスリーブ、スカートは長めで、エプロンには、王国の紋章である薔薇が刺繍されていて、その圧倒的な美しさで、その場を雰囲気を一気に変えていた。


花「アレが、アデーラさんのメイド服.......」


まるで、薔薇のように美しいアデーラさんのメイド服に対し、思わず、見入ってしまう私。


そして、そのアデーラさん本人はというと...........私に向けて、どうだと言わんばかりの顔をしていた。


さらに詳しく言えば、いわゆる、勝利を確信させる表情だった。


アデーラさん......よっぽど自信があるのかな?


司会者「次の方、どうぞ」


アデーラさんの番が終わり、次は、いよいよ私の番だ。


花「ナンシー、ミランダ、行ける?」

ナンシー「は、はい!!」

ミランダ「頑張ります!!」


これが、【裁縫師】としての私の第一歩。


例え、落ちたとしても構わない。


ただ......


花「いつも通りの私達で行こう!!」

「「はい!!」」

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