第二審査①

花「うぅ..........緊張するなぁ」


今、私がいるのは二次審査の会場こと、ケイト王国の王城。


そこには..........私と同じく、一次審査を突破した【裁縫師】と思わしき人々が集まっていた。


花「ここにいるってことは..........全員、プロの【裁縫師】なのかな?」


緊張しながら、そう思っていると.........


アデーラ「あなた.....来ていたのね」


私の目の前に、アデーラさんが現れた。


花「アデーラさん...........」

アデーラ「まさか、二次審査を抜けるとはね」


見下すような表情をしながら、そう言うアデーラさん。


すると、アデーラさんの存在が気付いたのか..........周りの人々が、ザワザワし始めた。


裁縫師1「おい、あれって..........タラント家の令嬢か?」

裁縫師2「ほ、本当だ!!」

裁縫師3「何でまた、このコンペに来ているんだ?」


....................やっぱり、アデーラさんって有名人なんだ。


アデーラ「でも、勝つのは私。今までの努力は無駄なものだと思い知りなさい」

花「でも、まだ二次審査は始まってないじゃないですか?」

アデーラ「っ!?」


私の言葉に対し、ピクリと反応するアデーラさん。


その瞬間、その場の空気は一気に凍った。


アデーラ「.....へぇ、それは私に対する宣戦布告なのかしら?」

花「宣戦布告も何も..........大図書館で会った時に、もう既にアデーラさんがしてるじゃないですか」

アデーラ「..........」


私の言葉を一言一言聞く度に、機嫌が悪くなっていくアデーラさん。


そして、とうとう怒りが頂点に達したのか..........そのまま、無言で去って行った。


花「な、何だったんだろう?」


呆然としながら、そう呟く私。


でも、周りの人達の反応は違ったようで


裁縫師1「あのアデーラ・タラントに対して、意見が言えるなんて..........命知らずにも程があるだろ」

裁縫師2「だな」


という雰囲気になっていた。


あぁ.........これが視線が痛いってやつなのかな?


花「大丈夫大丈夫大丈夫..........今日まで色々頑張ったんだ、何とかなるよね!!」


そう自分に言い聞かせ、落ち着かせる私。


宮廷裁縫師1「もうすぐ、二次試験に入りますので、移動を開始してください」


【宮廷裁縫師】らしき人がそう言うと、ゾロゾロと移動を始める【裁縫師】の人達。


花「アンナさん、ピーターさん、私.....頑張ります!!」


そう呟いた後、私もまた、移動するのだった。

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