頼もしいアイテム

さて、大図書館である程度調べた私は、アンナさん達の家に戻り、デザイン画を書こうと思っていたんだけど...........


花「これは.......!?」


今現在、私の目の前には、裁縫の必需品である、ミシンがあった。


アンナ「ハナちゃんが、欲しがるかなって思って、倉庫から引っ張り出してきたのよ」

花「あ、ありがとうございます!!」


まさか、異世界でミシンを見ることになるとはね。


というか、異世界にも、ミシンってあったんだ..........


花「あ、これって踏んで動かすタイプなんですね」

アンナ「魔法で動かすタイプのミシンは、高いからねぇ」


流石は魔法の世界、魔法で動くミシンもあるんだね。


花「でも、これさえあれば、100人力です!!」

ピーター「ハハハ、ならよかったよ」

アンナ「私達は、いつでもハナちゃんのサポートをするからね!!」


...........本当に、二人は頼もしいなぁ。


ピーター「そういえば、今回のコンペには、アデーラ・タラントが出るらしい」

アンナ「タラントって..........有名な【宮廷裁縫師】の一族じゃなかったっけ?」

花「タラント.....」


アデーラさんの家って、本当に【宮廷裁縫師】なんだ..............


アンナ「まさに、強力なライバルね!!」

花「あ、アハハハ.......」


言えない.............そのアデーラ・タラントに会ったなんて、口が裂けても言えないよ..........


ピーター「タラント家の人間は、代々、【宮廷裁縫師】として重宝されてきたから、彼女の重圧は凄いだろうな」

花「確かに、名門一族ってだけで震えますよね」


そんな重圧の中で、あんなにいいデザイン画を描けるなんて..........やっぱり、アデーラさんは、本物の天才かもしれない。


だって、このコンペに対する情熱が、私と桁違いなんだもん。


そりゃストイックになって当然だよ。


花「あ、あの!!実は、デザイン案がいくつか完成したんですけど...........そのデザイン案に対するアドバイスとかって、出来ますか?」


私がそう言うと..........アンナさんとピーターさんは顔を見合わせたかと思えば、ニッと笑い、こう言った。


アンナ「もちろんよ!!」

ピーター「アドバイスなら任せろ!!」


いや頼もしすぎるぅ!!


花「ほ、本当ですか!?」

アンナ「私達が嘘をつくとでも?」


ニコリと笑いながら、そう言うアンナさん。


こうして、アンナさん達のアドバイスを受けつつ、デザイン案を完成させた私は、それをコンペに応募したところ...........無事に、一次審査を通過。


その後、二次審査に向けて、メイド服を作ることになったのだった。

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