美しい物には毒がある
シェーレグリーン。
それは、かつて、私の世界で大流行した染料の一つで、ドレスや壁紙などに使用されていた。
だけど..........このシェーレグリーンには、決定的な欠点があった。
というのも、シェーレグリーンには、ヒ素が含まれていたので、体調が悪くなる人が増加。
その後、このことが原因なのかは分からないけど、シェーレグリーンを使った、ドレスや壁紙は見かけなくなっていたけど...........まさか、この世界にシェーレグリーンが流行っていたとはね。
アンナ「どうかしたの?」
花「あ、いや、その.........シェーレグリーンって、こっちでは人気なんですか?」
アンナさんに向け、そう言う私。
アンナ「えぇ、そうよ。でも.........」
花「でも?」
アンナ「最近、シェーレグリーンを作ってる工場の人の体調が、良くないって噂はよく耳にするわね」
...........やっぱり、もう既に被害者は出ているんだ。
ピーター「そういえば、どこかの家族で働いているメイドは、シェーレグリーンのメイド服を着ているっていう噂も聞いたな」
な、な、な.....
花「何ですってぇぇぇぇぇ!?」
シェーレグリーンのメイド服!?
何!?その新種の拷問道具は!?
ていうか、毒物を来て作業をするなんて..........そんなの絶対ダメ!!
アンナ「は、ハナちゃん?」
花「あ、す、すみません.......」
ともかく、メイド服にシェーレグリーンが使われてるってことは.................王宮メイドの制服の候補として、シェーレグリーンを使う人も少なくないはず。
だったら、とことん調べて、私なりのメイド服を作る!!
それが、今の私に出来ること!!
花「あ、あの!!王都に図書館ってありますか?」
アンナ「もちろん!!王都の中央地区に、大図書館があるのよ」
花「ホッ.......」
アンナさんの言葉に、胸を撫で下ろす私。
アンナ「ただ、そこに行くには魔導機関車に乗らなきゃいけないから、定期券は買っておいた方がいいかもね」
花「なるほど....」
こっちにも、定期券があるんだ..............
ピーター「でも、何でまた大図書館に行くんだ?」
花「メイド服のデザインを考えるため.....ですかね?」
私がそう言うと、ピーターさんは納得したような顔になった後
ピーター「確かに、あそこにはたくさんの本があるからなぁ」
と言った。
何はともあれ、これで当分の目標は決まった。
幸いにも、一次審査の日までは日数がある。
この期間を利用して、デザイン案を考えなくちゃね!!
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